[MIS17-P16] インド東沿岸域クリシュナ・ゴダバリ盆地における堆積層の強度特性
キーワード:強度、ガスハイドレート、クリシュナ・ゴダバリ盆地、National Gas Hydrate Program Expedition 02
海底下からハイドレートを採掘する際、ハイドレート上盤の岩盤強度は掘削孔や海底面の安定性を評価する上で重要である。本研究では、東インド沿岸のクリシュナ・ゴダバリ盆地(the Krishna–Godavari basin)で実施されたNational Gas Hydrate Program Expedition 02(NGHP Expedition 02)航海のSite 23において、海底面からメタンハイドレート層上下盤の堆積物の強度を測定した。強度測定には、コア半割面を使った大気圧下でのペネトレーション試験(約280試験)と円柱形コアを使った原位置圧力下での三軸圧縮試験(8試験)を行った。ペネトレーション試験からは、2つのハイドレート層直上の堆積層(140~150 mbsf と250~270 mbsf)で300 kPaを超える顕著な高い強度が確認された。一方三軸試験からは、(1)強度が深さとともに0.3 MPa(48 mbsf)から1.8 MPa(332 mbsf:孔底)まで徐々に増加すること、(2)深度方向の強度は、内部摩擦係数にして0.3程度であること、(3)Yoneda et al. (2017)によるハイドレート層の原位置圧力下での強度もこの深さ方向強度トレンドにのること、(4)ハイドレートに富む層準内部のハイドレートを含まない細粒砂岩は2.2 MPa以上の相対的に高い強度を持つことがわかった。2つの試験から、深さ方向の強度トレンドから著しく高い強度をもつ堆積層が、ハイドレート層上部または内部に特徴的に確認できた。一般に圧密の進んだ高い強度をもつ堆積物は相対的に低い透水係数を有すのるで、このような高強度堆積層がシールとなってこのような堆積層下部にハイドレートが析出したのかもしれない。