09:15 〜 09:30
[MTT37-02] 対流圏二酸化炭素の高精度三酸素同位体異常定量法開発
キーワード:二酸化炭素、高精度、三酸素同位体
対流圏二酸化炭素 (CO2) の三酸素同位体組成 (Δ17O) は地球表層環境の炭素サイクルを定量化する上で有用なトレーサーとなる。しかしこれをトレーサーとして活用するには、0.01‰前後の高精度でΔ17Oを定量化する必要がある。このような高精度でCO2のΔ17Oを測定するため、従来はO2に定量的に変換した上で質量分析されてきたが、O2に変換するには非常に反応性の高いフッ化物などの試薬を使う必要があり、より安全で簡便な大気CO2のΔ17O定量手法が求められていた。
本研究ではCO2をH2Oに定量的に変換した上で、これをキャビティリングダウン分光法 (CRDS) を用いて測定する新しいCO2のΔ17O高精度測定法を開発した。まず大気CO2を真空ラインに導入し、沸点差を利用して窒素 (N2) や酸素 (O2)、水 (H2O) と分離した後、質量数と沸点が近いN2Oは-70℃に冷却したPorapakPSカラム (長さ3m 内径0.31cm) を用いて分離する。精製したCO2はニッケル触媒のもと水素と600°Cで反応させ、メタン (CH4) と水 (H2O) に変える。CH4は除去し、精製したH2OのΔ17OをCRDSで測定した。
本研究では大気CO2を精製し、CO2をH2Oに変える真空ラインを新規に開発し、CO2の精製条件、CO2の還元反応条件、H2OのΔ17O分析条件の検討を行った。本研究で開発した測定法は (1) 取り扱いが安全で簡単である、(2) 測定時間が短い (一試料50分)、(3) 比較的高精度で測定できる、という利点がある。本研究で開発した新しい測定法を用いることにより、大気CO2のΔ17Oを0.015‰ (1σ) 以内の精度で測定することができた。この測定法を用いて名古屋の都市大気と自動車の排気ガス試料を採取して、含まれるCO2のΔ17Oを測定して比較したところ、都市大気の方が0.22‰高くなることが明らかになり、トレーサーとして活用できることが確認できた。
本研究ではCO2をH2Oに定量的に変換した上で、これをキャビティリングダウン分光法 (CRDS) を用いて測定する新しいCO2のΔ17O高精度測定法を開発した。まず大気CO2を真空ラインに導入し、沸点差を利用して窒素 (N2) や酸素 (O2)、水 (H2O) と分離した後、質量数と沸点が近いN2Oは-70℃に冷却したPorapakPSカラム (長さ3m 内径0.31cm) を用いて分離する。精製したCO2はニッケル触媒のもと水素と600°Cで反応させ、メタン (CH4) と水 (H2O) に変える。CH4は除去し、精製したH2OのΔ17OをCRDSで測定した。
本研究では大気CO2を精製し、CO2をH2Oに変える真空ラインを新規に開発し、CO2の精製条件、CO2の還元反応条件、H2OのΔ17O分析条件の検討を行った。本研究で開発した測定法は (1) 取り扱いが安全で簡単である、(2) 測定時間が短い (一試料50分)、(3) 比較的高精度で測定できる、という利点がある。本研究で開発した新しい測定法を用いることにより、大気CO2のΔ17Oを0.015‰ (1σ) 以内の精度で測定することができた。この測定法を用いて名古屋の都市大気と自動車の排気ガス試料を採取して、含まれるCO2のΔ17Oを測定して比較したところ、都市大気の方が0.22‰高くなることが明らかになり、トレーサーとして活用できることが確認できた。