日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ40] 地球科学の科学史・科学哲学・科学技術社会論

2018年5月20日(日) 10:45 〜 12:15 202 (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:矢島 道子(日本大学文理学部)、青木 滋之(会津大学コンピュータ理工学部)、山田 俊弘(東京大学大学院教育学研究科研究員、共同)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、座長:矢島 道子山田 俊弘

12:00 〜 12:15

[MZZ40-06] 地震研究・教育の文脈依存性

*鈴木 舞1Binil Aryal2纐纈 一起1 (1.東京大学地震研究所、2.Central Department of Physics, Tribhuvan University)

キーワード:文脈依存性、知識移転、科学技術社会論、ネパール

科学技術や科学的知識が、それを取り巻く社会と相互関係にあることは、これまでの科学技術社会論の研究の中で分析されてきた通りであり、技術や知識を移転する際には、その文脈依存性に配慮する必要があることが明らかにされてきた。本発表では、地球惑星科学、とりわけ地震に関連する研究や教育の分析を通して、それがいかにそれぞれの社会に埋め込まれているのかを検討する。

2016年より、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)による、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の支援を受けて、「ネパールヒマラヤ巨大地震とその災害軽減の総合研究」が実施されている。このプロジェクトでは、地震に関連した様々な技術や知識の移転が行われているが、その中のひとつとして、ネパールにおける地震学の高等教育基盤の構築が目指されている。こうした科学に関する教育基盤構築に際して、それが効果的に機能する為には、知識の文脈依存性への考慮が不可欠といえる。本発表では、地震学の高等教育基盤構築の第一歩として、ネパールでの現地調査に基づきながら、ネパールにおける地震に関する研究や教育の現状と課題を明らかにし、地震に関する知識がいかなる文脈依存性を持っているのかを分析する。