日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

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[O-02] 高校生によるポスター発表

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

[O02-P12] 埼玉県芝川中流部における透視度の上昇についての考察

*長澤 啓太1 (1.栄東高等学校)

キーワード:芝川、水質、透視度

栄東高等学校理科研究部では1988年から埼玉県を流れる芝川の調査を継続して行っている。そのデータから、芝川の中流部付近で透視度が上昇していることがわかり、昨年度はその原因を調べるために透視度に着目した研究を実施した。透視度の観測にはデジタル透視度計を使用し、誤差を減らした。このもとで種々の調査を行った。まず私は、最上流部から中流部におけるすべての橋で透視度を測定した(調査(1))。その結果、先行データと同様に砂大橋付近において透視度が上昇し、その後減少する傾向があった。しかしこの調査では地点だけでなく、時間も変化してしまったため、純粋な地点による変化を調査できなかった。この結果を受けて、透視度の時間による変化を調べるために、私は砂大橋において半日、一時間おきに水質を測り続ける半通日調査を3回実施した(調査(2))。その結果、調査した3回とも透視度は、午前中に高く、午後になると低くなった。また、透視度と水温の間に強い負の相関がみられ、東京湾の潮位と強い正の相関がみられた。しかし、砂大橋の塩分濃度は0.04%と非常に低いので、透視度と潮位の関係は無いと予想される。次に私は、透視度の地点による変化を調べるために、河川水を同時に採水して透視度を測定する調査を実施した(調査(3))。その結果透視度は地点によっても変化していた。調査(2)(3)の結果から、調査(1)で見られた透視度の変化は、地点と時間という2つの要因によって発生していると推測した。今年度は他にもSS(懸濁汚物)やプランクトン、CODなどと透視度の関係も調査した。また、透視度と水温になぜ強い負の相関があるのか、透視度が上昇する詳しい条件も考察した。その結果、透視度とSSの間に強い負の相関がみられた。また室内にて河川水の水温のみを上昇させたところ、水温と透視度の間には直接的な関係はなかった。このことから透視度と水温は間接的に関係しており、その間を埋める何かがあると考えている。結論として、まず透視度は時間・地点によって変化していた。特に時間については、ある程度規則的に変化していた。次に、透視度は水温と強い負の相関があったが直接的な関係ではなく、間接的な関係だと推測された。今後の展望としては、透視度と水温を結ぶなにかとして流速を考えているので、それを追求していきたい。