[O02-P21] 兵庫県南部の神戸層群から発見したヒカゲノカズラ科の化石から推定する古神戸湖の堆積環境
キーワード:神戸層群三田累層、炭化した植物化石、緑色の植物化石(ヒカゲノカズラ科)、古神戸湖
神戸層群三田累層が分布する兵庫県南部西脇市-加東市を流れる加古川沿いに露頭調査をおこない、砂岩層から多量の炭化した植物化石と、緑色の植物化石(ヒカゲノカズラ科)を発見した。これまで、神戸層群からの化石の報告は、白色の流紋岩質凝灰岩からのもののみである。神戸層群の植生を考えたり、そこから古環境を推定したりするためには、保存状態がよい凝灰岩からのものに偏っていることは好ましいことではない。その意味でも、今回の化石の発見は意義あるものと考えられる。化石の産状から、加東市北西部は古神戸湖に加古川が流れ込む末端部であったこと、西脇市南部は浅い湖沼と陸地を繰り返す温暖な環境であったと考えられる。