日本地球惑星科学連合2018年大会

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[JJ] ポスター発表

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[O-02] 高校生によるポスター発表

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

[O02-P25] 福井地震断層の探求6 THE DANSO ~揺れる福井と君と僕~

*前田 健人1、*東田 龍太郎1、*川江 萌々香1、*坂東 藍来1、*長谷川 尚也1 (1.福井県立藤島高等学校)

キーワード:福井平野東縁断層帯、S波偏向異方性、クラックモデル、コーダ波

今年、2018年の福井県のイベントと言えば何が思い浮かぶだろうか。50年ぶりに福井県で開催される国体であろうか。2018年の今、皆さんに思い出していただきたいことは、「福井地震」である。そう、今年は、福井地震の発生から70年経過した節目の年である。

1948年に、発生したマグニチュード7.1を記録した福井地震は、福井県に甚大な被害をもたらした。これは、日本初の近代都市直下型地震であった。死者は、3769人にも及び震度7の新設のきっかけにもなった。

福井地震を引き起こした福井平東縁断層帯をはじめとして福井付近には活断層も多く位置している。そのような福井県の福井平野の地下構造を、地震波の解析を通じて、明らかにすることがこの研究の目的である。最終的には、福井県での防災にもつなげていきたいと考えている。この研究は、本校で5年間続いてきたものを引き継いだ研究である。昨年度からは、新しく観測点を一つ設け、合計6か所の福井平野東縁断層帯付近の観測点で地震波を観測した。また、後続波の由来を特定するために周波数特性も調べた。

研究では、主に下記の3点について調べた。

(1)震源決定である。研究の基礎となる地震データの蓄積のために、Win-systemを用いて集められた地震波のデータから、震源を決定した。今年度新しく決定した福井県付近の震源の数は、36個で、6年間累計で120個となっている。

(2)S波の最初の振動方向からの各観測点下の地下構造の推定である。地震波のデータから作成したホドグラフで、S波の最初の振動方向を特定した。それを用いて、観測点下のクラック等の存在を指摘した。増えてきたデータから、詳細な解析が行えた。今年度は、地上で存在が確認されている一つの断層の、その方向と長さについての考察も、地下構造の推定データ、波形データと合わせて行った。
(3)S波到着後に現れる顕著な後続波の由来、福井平野東縁断層帯との関係の調査である。後続波は、断層帯の延長線上で地震が発生した際に断層帯内の観測点で、観測されている。その起源が、観測されたS波と同じものであるかを確認するために、スペクトル解析を行い、それぞれの周波数特性を調べた。