[O02-P29] 「鳥浜における縄文人の出現」~炭化片・花粉分析を用いた縄文草創期の人間活動の検証~
キーワード:縄文人、鳥浜遺跡群、湖底堆積物、花粉化石、微粒炭、年縞
福井県南部の三方湖周辺地域には鳥浜遺跡をはじめとする縄文時代の遺跡が存在し、考古学研究の舞台となっている。私たちは、「縄文時代草創期、縄文人が鳥浜にいつやってきたのか」ということに関心をもった。そこで、「気候が温暖化することで人間活動が活発化し、それに伴い湖底堆積物中の微粒炭量が増加する」という仮説を立て、三方湖のボーリング試料からサンプルを抽出し、微粒炭分析や花粉分析による科学的な検証に挑戦した。その結果、今から約1万2,700年前を境に微粒炭が急増していることが明らかになった。その事実が何を示しているのか、花粉化石から復元した当時の気候と考古学的知見を手がかりに考察した。