[O02-P52] いわき市空の色の濃淡について
私達は、空の観察をしている際に、青空の色が日によって違っていることに興味を持ち、青空の色の濃淡に関係している気象情報について研究を始めた。
学校に登校した日の昼12時前後に本校3棟3階地学講義室から北東の方向の空の写真を撮影し、写真の色相をRGB値として測定した。RGB値の各数値は0~255の256段階で光の強さを表している。そのため数値が高いほど、その色の散乱光強度が高いといえる。測定にはPowerPointのスポイトを用いて縦13cm、横27.9cmの3本の黒線が交わる9点でそれぞれ抽出して平均値を求めた。また、気象情報は、撮影地点の気温、湿度、気圧、風速、風向を計測し、計算により水蒸気量、水蒸気圧を求めた。そしてRGB値と気象情報の関係性を調べた。
今回2017年6月1日から2018年の2月28日までの晴れのデータを比較した結果、グラフから水蒸気量が少ない12.6g/m3以下の時は、RGB値のR値50~100、G値70~120、B値120~170の領域にあり空の色が濃くなっており、水蒸気量が多い12.7g/m3以上の時は、RGB値のR値100~180、G値120~200、B値150~200の領域にあり空の色が薄くなっている事が分かった。RGB値の変化を見てみると、B値は水蒸気量が多い時は少ない時に比べて20ほど数値が高くなっていた。また、R値とG値は水蒸気量が多い時は少ない時に比べて65ほど数値が高くなっていた。さらに、空中の微粒子による散乱光の波長依存性を示すB/R比を見てみると、今回はB/R値が2.0を超えるほど高くなっているが、その中でも水蒸気量が少ない9月以降にかけてB/R比が2.5に近づいた。
このことから、水蒸気量が少ない時は太陽光線のうち波長の短い青い光が散乱される確率が高いレイリー散乱が起こっている事で、青空の色が濃くなっている。また、水蒸気量が多い時は空中に含まれる微粒子の割合が多くなるため、波長が青より長い赤や緑などの光も散乱されやすくなった事に加え、水蒸気が多く集まることで、散乱する際に太陽光がぶつかるものの直径が可視光線の波長よりも大きく、すべての波長にわたって散乱されるミー散乱が起こる事で、青空の色が白っぽく薄くなると考えた。RGB値の変化については、B値がもともとレイリー散乱により光が散乱されて水蒸気量が少なくても高い状態なので、水蒸気量が多くなって光が散乱される確率が高くなってもB値がそれほど大きくならないと考えた。また、R値とG値は水蒸気量が多くなると光が散乱される確率が高くなり、水蒸気量が多い時と少ない時の変化の幅が大きくなっていた。したがって水蒸気量が空の色の濃淡に関係していると考えた。
次に風速とRGB値の関係を見てみると。風が比較的強いといえる風速が10m/s以上の日とその次の日のRGB値を見てみると、風速が12.9m/sの2017年6月14日のRGB値はR値90.9、G値123.1、B値170.9であり、その次の日の6月15日は風速が6.4m/sで同じく晴れであったが、RGB値はR値188.3、G値192.1、B値198.8と1日でかなり数値が高くなっていた。また、風速が11.3m/sの2017年9月14日のRGB値はR値115.9、G値144.4、B値186.2であり、その次の日の9月15日は風速が3.2m/sで同じく晴れであったが、RGB値はR値59.9、G値96.2、B値155.3と1日でかなり数値が低くなった。他の風速が10m/s以上の日と次の日が同じ晴れの日のRGB値にも同じように数値にかなり違いが見られた。
このことから風が強く吹いた日の次の日のRGB値が前日より高い時は、強い風が砂などを巻き上げて空気中の塵などが増加し、太陽光を散乱させる確率が高くなったためにRGB値が高くなったと考えた。また、風が強く吹いた日の次の日のRGB値が前日より低い時は、空気中に塵などが多く含まれている状態で風が強く吹いたことで、その塵が飛ばされて空気がきれいになり、太陽光を散乱させる確率が低くなったため、RGB値が低くなったと考えた。このことから、風速も空の色の濃淡に関係していると考えた。
以上のことから、水蒸気量が多い時は空の色が薄くなって水蒸気量が少ない時は空の色が濃くなり、風速が10m/s以上の日の次の日の青空の色は前日と濃淡が激しく変化するという関係性があり、空の色の濃淡には水蒸気量と風速が関係していると考えた。
学校に登校した日の昼12時前後に本校3棟3階地学講義室から北東の方向の空の写真を撮影し、写真の色相をRGB値として測定した。RGB値の各数値は0~255の256段階で光の強さを表している。そのため数値が高いほど、その色の散乱光強度が高いといえる。測定にはPowerPointのスポイトを用いて縦13cm、横27.9cmの3本の黒線が交わる9点でそれぞれ抽出して平均値を求めた。また、気象情報は、撮影地点の気温、湿度、気圧、風速、風向を計測し、計算により水蒸気量、水蒸気圧を求めた。そしてRGB値と気象情報の関係性を調べた。
今回2017年6月1日から2018年の2月28日までの晴れのデータを比較した結果、グラフから水蒸気量が少ない12.6g/m3以下の時は、RGB値のR値50~100、G値70~120、B値120~170の領域にあり空の色が濃くなっており、水蒸気量が多い12.7g/m3以上の時は、RGB値のR値100~180、G値120~200、B値150~200の領域にあり空の色が薄くなっている事が分かった。RGB値の変化を見てみると、B値は水蒸気量が多い時は少ない時に比べて20ほど数値が高くなっていた。また、R値とG値は水蒸気量が多い時は少ない時に比べて65ほど数値が高くなっていた。さらに、空中の微粒子による散乱光の波長依存性を示すB/R比を見てみると、今回はB/R値が2.0を超えるほど高くなっているが、その中でも水蒸気量が少ない9月以降にかけてB/R比が2.5に近づいた。
このことから、水蒸気量が少ない時は太陽光線のうち波長の短い青い光が散乱される確率が高いレイリー散乱が起こっている事で、青空の色が濃くなっている。また、水蒸気量が多い時は空中に含まれる微粒子の割合が多くなるため、波長が青より長い赤や緑などの光も散乱されやすくなった事に加え、水蒸気が多く集まることで、散乱する際に太陽光がぶつかるものの直径が可視光線の波長よりも大きく、すべての波長にわたって散乱されるミー散乱が起こる事で、青空の色が白っぽく薄くなると考えた。RGB値の変化については、B値がもともとレイリー散乱により光が散乱されて水蒸気量が少なくても高い状態なので、水蒸気量が多くなって光が散乱される確率が高くなってもB値がそれほど大きくならないと考えた。また、R値とG値は水蒸気量が多くなると光が散乱される確率が高くなり、水蒸気量が多い時と少ない時の変化の幅が大きくなっていた。したがって水蒸気量が空の色の濃淡に関係していると考えた。
次に風速とRGB値の関係を見てみると。風が比較的強いといえる風速が10m/s以上の日とその次の日のRGB値を見てみると、風速が12.9m/sの2017年6月14日のRGB値はR値90.9、G値123.1、B値170.9であり、その次の日の6月15日は風速が6.4m/sで同じく晴れであったが、RGB値はR値188.3、G値192.1、B値198.8と1日でかなり数値が高くなっていた。また、風速が11.3m/sの2017年9月14日のRGB値はR値115.9、G値144.4、B値186.2であり、その次の日の9月15日は風速が3.2m/sで同じく晴れであったが、RGB値はR値59.9、G値96.2、B値155.3と1日でかなり数値が低くなった。他の風速が10m/s以上の日と次の日が同じ晴れの日のRGB値にも同じように数値にかなり違いが見られた。
このことから風が強く吹いた日の次の日のRGB値が前日より高い時は、強い風が砂などを巻き上げて空気中の塵などが増加し、太陽光を散乱させる確率が高くなったためにRGB値が高くなったと考えた。また、風が強く吹いた日の次の日のRGB値が前日より低い時は、空気中に塵などが多く含まれている状態で風が強く吹いたことで、その塵が飛ばされて空気がきれいになり、太陽光を散乱させる確率が低くなったため、RGB値が低くなったと考えた。このことから、風速も空の色の濃淡に関係していると考えた。
以上のことから、水蒸気量が多い時は空の色が薄くなって水蒸気量が少ない時は空の色が濃くなり、風速が10m/s以上の日の次の日の青空の色は前日と濃淡が激しく変化するという関係性があり、空の色の濃淡には水蒸気量と風速が関係していると考えた。