[O-06] ジオパークがつなぐ地球科学と社会　ー10年の成果と課題ー

[O06-P24] 山陰海岸ジオパークの１０年ー課題と現状分析―

*熊谷 暢聡¹ (1.兵庫県立大学)

キーワード：地域振興、観光

学術的に貴重な地形や地層がある公園「ジオパーク」について、山陰海岸ジオパークは昨年秋、国内の認定機関・日本ジオパーク委員会から、地域間の連携不足や運営体制の不備などを理由に、条件付き再認定という警告を受けた。２００８年末の日本ジオパークとしての初認定から１０年の節目を前に転機を迎えている。
　山陰海岸GPでは認定後、様々な地域活動が生まれ、地元メディアでも多く取り上げられた。だが、各団体の活動が成熟するにつれ、逆に団体間での温度差や連携不足などが目立つようになってきた。その背景には、ジオパークの認知度がまだ低く、期待したような経済効果が見られない点がある。さらに、とりまとめ役であるコーディネーターの必要性を説く関係者も多い。
　その一方、地域におけるジオパーク活動は点ではあるが、着実に進んでいる。玄武洞公園（兵庫県豊岡市）のNPO法人は、バスツアーを誘客して有償ガイド活動を行い、兵庫県湯村温泉では、旅館が誘客材料としてガイド活動に取り組むなどしている。