日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

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[O-07] 地球科学とアート -互いの創造を拡大する-

2018年5月20日(日) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:笹岡 美穂(高知大学/株式会社SASAMI-GEO-SCIENCE)、船引 彩子(東京理科大学基礎工学部)、久保 貴志(黒部市吉田科学館、共同)、白石 智子

[O07-P01] アートと地形学:滝の多彩なみかた

★招待講演

*早川 裕弌1安芸 早穂子1ヘンベスト ジェニファー2マシウス ピーター3 (1.東京大学空間情報科学研究センター、2.関西学院大坂インターナショナルスクール小学部、3.国立民族学博物館)

キーワード:滝、地理的想像、ワークショップ

滝は,観光対象として多くの人の目を惹くものであり,科学的にも芸術的にも格好の探求対象となる。写真や絵画としての芸術的表現も古くから続けられていることは言うまでもないが,一方,地球科学的な滝の研究も,河川地形学やテクトニクスあるいは気候変動などと関連し,近年とくに増加している。そこで,アートと地球科学の接点としての滝に着目し,科学的視点にとらわれない感性と表現を通した風景の表象化について考察する。ここで,現実の滝を空間計測により実体的に複製した地形模型と,主にはこどもの視点からの思考・想像過程を並列的に示し,人間にとって滝という地形はどんな表象をもつものかを,多彩な観点から明らかにする。ここでは,多様な人々にとっての滝を総合的に見出すため,一人のアーチストによる滝の表象のみならず,身体的な滝(登攀対象としての滝、修験道における滝),昔話などの物語に現れる滝,龍神伝説など神性を帯びる滝,といったさまざまな滝の見かたを再編しつつ,インターナショナルスクールで行う小学生対象のワークショップを通して、異なる文化的背景で育まれてきた滝のイメージを、こどもたちにより描かれたそれぞれの滝のなかに見出そうと試みる。