[PEM15-P19] 昼側磁気圏境界面の磁気リコネクション下流領域で観測された低周波波動の解析
磁気圏境界面付近で観測される低周波波動には、磁気シース領域粒子の磁気圏内への拡散、あるいは加熱、加速等への寄与が示唆され、磁気圏物理において重要な役割を果たす波動もあると考えられている。中でも、運動論的アルフベン波(KAWs)に関して、太陽風粒子を磁気圏内に拡散する過程 [Johnson and Cheng, 1997] が提案されているものの、このような粒子拡散過程は観測的には実証されていない。そこで本研究では、磁気圏境界面付近の低周波波動による磁気圏内への太陽風粒子拡散過程の解明を目指す。解析には、NASAのMagnetospheric Multiscale (MMS) 衛星観測データを用いて、Gershman et al. [2017] によって磁気リコネクションジェット中で運動論的アルフベン波が同定されたイベントを使用し、KAWsとの共鳴条件を満たすエネルギー帯の粒子が、磁力線を横切る拡散速度を持つかどうか検証する。