[PEM16-P22] あらせ衛星の準リアルタイムデータを利用した高エネルギー電子スペクトル予測
キーワード:放射線帯予測、あらせ衛星、電子エネルギースペクトル、カルマンフィルタ
放射線帯を通過する人工衛星は、高エネルギー電子による深部帯電や放電の影響で不具合が発生することがある。高エネルギー電子が衛星外壁を通過し機体内に侵入する量は、主に外壁の厚み・素材と電子のエネルギーによって決まる。つまり、深部帯電によるリスクを評価するには高エネルギー電子のエネルギースペクトルを推定することが重要になる。放射線帯探査衛星あらせの粒子観測器XEP (extremely high-energy electron experiment) およびHEP (high-energy electron experiment)は、深部帯電を引き起こす可能性があるエネルギー100 keVから2 MeVの電子フラックスを測定しており、そのデータは準リアルタイムで提供されている。放射線帯の電子は、エネルギー階層間結合を経て加速されてることが知られているため、領域間やエネルギー間で変動に遅延が存在する。あらせ衛星の観測データを利用した相関解析からも遅延を持つ相関が存在することが明らかになった。本発表では、カルマンフィルタを用いた電子エネルギースペクトルの予測結果と予測精度について報告する。