日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2018年5月23日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、三宅 洋平(神戸大学計算科学教育センター)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部、共同)、中村 匡(福井県立大学)

[PEM17-P01] Cole-Karkkainen電磁場数値解法を用いた数値チェレンコフ放射の抑制特性

*松本 洋介1 (1.千葉大学大学院理学研究科)

キーワード:数値チェレンコフ不安定、相対論的衝撃波、PICシミュレーション

無衝突衝撃波における荷電粒子の加速メカニズムを明かにする上でparticle-in-cellシミュレーションは強力な研究手法である。しかし、相対論的衝撃波の研究に着目してみると、その多次元的構造や加速機構についての研究は非相対論的衝撃波の研究に比べて停滞している。それは、相対論的な流れ場(V~c)においては数値的不安定が顕在化し粒子加速を詳細に議論する上で弊害となるためであり、1970年代から数値チェレンコフ放射として一般的な問題として知られている。対処としてデジタルフィルタリングを電磁場を課す手法が取られるが、物理的な電磁波も同時に落としてしまうため、精度の高い粒子加速研究ができていないのが現状である。

我々はこの問題を根本的に解決するため、特定のPICアルゴリズムの下での数値チェレンコフ不安定の抑制法を開発した。特定のCFL条件を選ぶことにより不安定の成長率が劇的に低下することが発見され(Godfrey and Vay, 2013)、相対論的衝撃波の研究において有用であることを確認した(Ikeya and Matsumoto, 2015)。しかし、流れ場のローレンツ因子が5以下の準相対論的流れ場においてはこの抑制方法に限界があることも明らかになってきた。そこで、本研究ではCole[2002]やKarkkainen et al.[2006]によって提唱されたマクスウェル方程式の数値解法(C-K法)を採択し、その電磁場の伝搬・安定性特性について解析を行った。本公演ではC-K法の詳細と数値チェレンコフ不安定性抑制の特性について複数の流れ場のローレンツ因子の下での結果、及び相対論的衝撃波への応用例を報告する。