日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2018年5月23日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、三宅 洋平(神戸大学計算科学教育センター)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部、共同)、中村 匡(福井県立大学)

[PEM17-P02] 移流方程式に対するLTS-WENOスキーム

*三好 隆博1 (1.広島大学大学院理学研究科物理科学専攻)

キーワード:移流方程式、LTSスキーム、WENOスキーム

流れに関する様々な物理現象は双曲型保存則によってよく記述される。一般に双曲型保存則は不連続な解を持つことが許されるため、不連続で生ずる数値的振動を抑制する数値解法が長年研究開発されてきた。特に現実的な計算時間、すなわち現実的な格子点数で高精度な数値解を得るため、Weighted Essentially Non-Oscillatory(WENO)スキーム[1]などの高次精度補間法が提案された。しかし、陽的な時間積分法では、数値的安定条件としてCourant-Friedrichs-Lewy(CFL)条件を満足する必要があるため、1格子間の情報伝播時間以下に時間刻み幅が限定される。陰的な時間積分法はCFL条件に制約されないが、大規模な連立一次方程式を毎時間解く必要があり、効率的な計算は容易ではない。

CFL条件の制約を緩和する陽的な数値解法として、Large Time Step(LTS)スキーム[2]は導入された。高次精度補間法では、幅広い格子点の情報が空間高次精度化のために用いられる。一方、LTSスキームにおいては、幅広い格子点の情報はCFL条件を超える時間刻み幅での時間積分の安定化に寄与する。しかし、LTSスキームの実用的な高次精度化については、ほとんど検討されていない。そこで本研究では、特に移流方程式に対してLTSスキームとWENOスキームを結合した新たなスキームを構築し、その有効性を検討する。

[1] G.-S. Jiang, C.-W. Shu, J. Comput. Phys., 126, 202-228, 1996
[2] R. J. LeVeque, SIAM J. Numer. Anal., 19, 1091-1109, 1982