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[PPS05-08] 局所U-Pb分析を用いたルナ24号レゴリス試料の年代学的考察
キーワード:ルナ24号、局所U-Pb分析、NanoSIMS
1976年に打ち上げられたルナ24号は、月の危難の海に着陸しドリル掘削により計170gのレゴリスサンプルを採取した。ルナ計画・アポロ計画で採取されたサンプルに対する先行研究から、ルナ24号試料はVery-Low Ti玄武岩に分類され、人類が手にする月試料の中では最も若い29億年の火成活動が報告されている。しかしながら、レゴリス試料は一粒一粒が起源の異なる粒子であること、また報告されている放射年代は後のインパクトイベントによって乱されている可能性が指摘されている。本研究では、まだ年代値が報告されていない深さ130cm付近のルナ24号のレゴリス試料の一粒一粒に関して鉱物学的/地球化学的記載を、リン酸塩鉱物を含む粒子については2次変成に強い局所U-Pb年代分析を行った。U-Pb同位体分析の結果、リン酸塩鉱物を含む粒子の多くは約35億年という、先行研究で報告されているよりやや古い結晶化年代を示したほか、一部の粒子はショックイベントによる放射年代の乱れを示した。また、化学組成や年代の異なる粒子があり、これらは高地を起源とした粒子の可能性がある。得られた結果についてリモートセンシングの結果と比較し、危難の海における火成活動について、ミクロ/マクロの両面から年代学的考察を行う予定である。