日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS08] 惑星科学

2018年5月21日(月) 10:45 〜 12:15 国際会議室(IC) (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:岡本 尚也(国立研究開発法人宇宙航空開発機構 宇宙科学研究所)、黒崎 健二(名古屋大学大学院 理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻)、座長:細野 七月(京都大学)、岡本 尚也(千葉工大惑星探査研究センター)

11:30 〜 11:45

[PPS08-16] 巨大氷惑星の衝突現象における天体温度の影響

*黒崎 健二1犬塚 修一郎1 (1.名古屋大学大学院 理学研究科)

キーワード:巨大氷惑星、巨大衝突

宇宙望遠鏡による観測データの蓄積により,多数の系外惑星の発見が報告されているが,その中でも海王星サイズの天体の報告数が最も多く,これらの天体は固体成分のコアに分厚い大気をまとった惑星か,氷成分を多く持った惑星であると考えられている.このような惑星は形成初期に巨大衝突を受けていると考えられているが,巨大衝突の発生により惑星の自転軸が変動する可能性(Slattery et al. 1992)が指摘されている.また地球型惑星の場合には衛星の形成や,内部組成構造の混合も議論されている(Nakajima & Stevenson 2015; Deng et al. 2017).また,氷成分に富んだ惑星が巨大衝突を受けてエンベロープや大気が氷成分で汚染されると,その後の熱進化に影響を与えることが示唆されており(Kurosaki & Ikoma 2017),衝突現象による影響は惑星系の起源やその後の熱進化を理解する上で重要であるが,巨大衝突によって惑星内部の初期条件がどのような影響をうけるかまだよくわかっていない.本研究では,SPH法によって,水素エンベロープと氷コアからなる天体に氷天体が衝突するような状況を考え,天体の初期条件が異なる場合での,衝突前後の角運動量輸送の効率などを議論する.また衝突時に強い衝撃波が発生しうるため,Godunov法を適用したSPH法 (Inutsuka 2002)を用いて,高温状態の場合と低温状態の二種類の場合での衝突現象を比較し,内部熱進化状態の違いによる衝突現象への影響を議論する.