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[PPS08-25] N 体計算によるハウメアのリング形成過程の検証
キーワード:ハウメア、リング、衛星、ロッシュ限界、N 体計算
準惑星ハウメアには、リングが発見されている。リングは、ハウメアの自転周期と3:1の平均運動共鳴を起こす位置にある(Ortiz et al., 2017)。本研究では、このリングの形成過程を理解することを目的とする。我々は、ハウメアの自転による分裂によってハウメアの2つの衛星が形成されたという説(Ortiz et al., 2012)に着目し、このモデルに基づいてリングの形成過程を検証した。まず、三軸不等楕円体の形状をしているハウメアの周囲の重力場を計算し、時間変動する重力場を組み込んだN体シミュレーションにより、ハウメアを公転する粒子が安定して存在できる領域を見積もった。その結果、ちょうどハウメアの自転周期と3:1の平均運動共鳴を起こす位置よりも内側では、粒子の軌道が不安定となることがわかった。一方、三軸不等楕円体の周囲のロッシュ限界を計算し、ハウメアの周囲でリングが形成される位置を解析的に見積もった。その結果、ハウメアの自転周期と3:1の平均運動共鳴を起こす位置の前後あたりにロッシュ限界が位置することが示唆された。そこで現在、物質強度の効果を取り入れたラブルパイルN体シミュレーションのコードを開発し、ハウメアの分裂した破片からリングが形成される過程について数値計算による検証を行っているところである。