[PPS08-P12] 輻射流体力学シミュレーションを用いた周惑星円盤の形成について
キーワード:周惑星円盤、ガス惑星、輻射流体力学シミュレーション
巨大惑星がガスを取り込む際には、その惑星の周りに周惑星円盤と呼ばれるガス惑星が形成されると考えられている。周惑星円盤は、ガス惑星の最終的な質量や熱進化、また規則衛星の形成過程を決める重要な天体である。衛星がいつ、どこで、どのように形成されたかを調べるためには、周惑星円盤の構造に関するさらなる理解が必要である。中でも特に重要となるのがその温度構造である。本研究では、周惑星円盤の構造を調べるために、原始惑星系円盤の中に惑星を埋め込んだ輻射流体力学シミュレーションを行った。計算では、惑星の周りの解像度を上げるために解適合格子法を用いた。周惑星円盤はその形成初期には高温になることが知られており、断熱の状態方程式を用いてシミュレーションを行うと、温度を過大評価してしまう領域が存在する。それを避けるために、我々は水素分子の解離等の化学反応を考慮した状態方程式を用いた。発表では、形成した周惑星円盤の密度及び温度構造および、断熱の状態方程式を用いた場合との違いについて議論する。