[SCG59-P06] 2017年日高衝突帯西部-石狩平野横断地殻構造探査
キーワード:伏在活断層、石狩前縁盆地、日高衝突帯、深部反射法地震探査、速度構造、北海道
文部科学省の「日本海地震津波調査プロジェクト」では、日本海沿岸地域での津波の波高予測・強震動予測を行うために総合的な調査を2013年から実施している。この一環として,2017年度には石狩平野を横断し、日高衝突帯西縁部の夕張に至る測線で、反射法地震探査を実施した。石狩平野には厚い新第三系が分布し、伏在断層の存在も指摘されているが、震源断層の位置と形状を推定する具体的な資料に乏しい。これらの震源断層の形状と、地殻上部の速度構造を明らかにすることは、発生する強震動を予測する上で重要である。
2017年6月下旬から7月中旬に反射法地震探査データを取得した.測線は石狩川河口から石狩川に沿って、夕張市南部にいたる68.5 kmの区間である。震源は大型のバイブロサイス車4台を使用した.受振点間隔は50mで、計1358チャンネルの固定展開でデータを取得した.受振システムはオフラインレコーダ(GSR-1,GSX-3ch)を用いた.発震点間隔は西側の石狩平野下では50m間隔で、東側では150m間隔とした。スィープ周波数は3~40 Hzで、スィープ数は西側では3回、東側では8回とした.大深度の情報を得るために、約4kmおきに集中発震を行った。スィープ数は、標準50回以上とした。この他、測線東端の夕張地域で薬量100kgの発破、西端の石狩河口で850回の集中発震を行った。データ収録はサンプリング間隔4 msec とした。本測線の海域延長で発震したエアガン記録を収録した。記録は良好で、集中発震では初動が35 km程度に渡って観測された。得られたデータに関して通常の共通反射点重合処理法の他、MDRS処理による反射法地震探査解析を行い、屈折トモグラフィー法によりP波速度構造を明らかにした。
得られた反射断面は、石狩平野下では往復走時4.5秒(深さ10 km)まで、馬追丘陵以東では、深さ6km程度までのイメージングが得られた。馬追丘陵以東の日高衝突帯においては、東傾斜のスラストが卓越し、大規模な地殻短縮が見られる(例えば伊藤, 2000)。この領域ではVp5.5 km/sの上面が深度8 km程度に位置し、6km程度の石狩平野下より有意に深い。活断層である石狩低地東縁断層帯は、馬追丘陵西翼でウェッジスラストを形成する。丘陵の西側に隣接する石狩平野下では、Vp6.6 km/sの高速度領域が凸型に浅くなった構造が存在する。石狩平野では野幌背斜西翼に連続する東傾斜のスラストが、地下8km程度まで確認される。石狩低地東縁断層帯とは独立した震源断層を構成する。
2017年6月下旬から7月中旬に反射法地震探査データを取得した.測線は石狩川河口から石狩川に沿って、夕張市南部にいたる68.5 kmの区間である。震源は大型のバイブロサイス車4台を使用した.受振点間隔は50mで、計1358チャンネルの固定展開でデータを取得した.受振システムはオフラインレコーダ(GSR-1,GSX-3ch)を用いた.発震点間隔は西側の石狩平野下では50m間隔で、東側では150m間隔とした。スィープ周波数は3~40 Hzで、スィープ数は西側では3回、東側では8回とした.大深度の情報を得るために、約4kmおきに集中発震を行った。スィープ数は、標準50回以上とした。この他、測線東端の夕張地域で薬量100kgの発破、西端の石狩河口で850回の集中発震を行った。データ収録はサンプリング間隔4 msec とした。本測線の海域延長で発震したエアガン記録を収録した。記録は良好で、集中発震では初動が35 km程度に渡って観測された。得られたデータに関して通常の共通反射点重合処理法の他、MDRS処理による反射法地震探査解析を行い、屈折トモグラフィー法によりP波速度構造を明らかにした。
得られた反射断面は、石狩平野下では往復走時4.5秒(深さ10 km)まで、馬追丘陵以東では、深さ6km程度までのイメージングが得られた。馬追丘陵以東の日高衝突帯においては、東傾斜のスラストが卓越し、大規模な地殻短縮が見られる(例えば伊藤, 2000)。この領域ではVp5.5 km/sの上面が深度8 km程度に位置し、6km程度の石狩平野下より有意に深い。活断層である石狩低地東縁断層帯は、馬追丘陵西翼でウェッジスラストを形成する。丘陵の西側に隣接する石狩平野下では、Vp6.6 km/sの高速度領域が凸型に浅くなった構造が存在する。石狩平野では野幌背斜西翼に連続する東傾斜のスラストが、地下8km程度まで確認される。石狩低地東縁断層帯とは独立した震源断層を構成する。