日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG61] 海洋底地球科学

2018年5月23日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)

[SCG61-P11] 反射法音波探査による石垣島南方海域の海底下地質構造

*三澤 文慶1井上 卓彦1佐藤 雅彦2荒井 晃作1横山 心一郎1板木 拓也1 (1.産業技術総合研究所地質情報研究部門、2.東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

キーワード:琉球弧、石垣島、反射法音波探査、海底地形調査

産総研では,2017年7月に石垣島周辺海域にて,JOGMEC所有の海洋資源探査船「白嶺」を用いて海洋地質調査を実施した.本航海では海底下地質構造の把握を行うために,反射法音波探査,パラメトリック方式サブボトムプロファイラー(SBP)を用いた高分解能音波探査,海底地形調査,重力探査,セシウム磁力計を用いた磁気探査,およびROVによる海底試料採取を行った.本発表では,本航海で得られた反射法音波探査および海底地形をもとに石垣島南方及び東方海域の海底下地質構造を報告する.

本海域では2面の不整合面を認定した.不整合面を境界として堆積層を3層に区分した.島弧域に位置する石垣島東方海域では海底地形にて認められる北西-南東走向のリニアメントが認められた.このリニアメント部分を通る反射断面では南西傾斜の正断層の存在が確認された.この断層は島弧域を切る胴切り断層と考えられる.琉球海溝側の石垣島南方海域では,海溝斜面上の複数の箇所に地形的高まりが存在する.これらの内部構造は上向き凸の構造を示す.それゆえ,地形的高まりは背斜構造の地形への現れと考えられる.また,地形的高まりの北縁部分に海側傾斜した逆断層の存在が認められた.したがって,背斜構造からなる地形的高まりは海側傾斜断層の活動に伴って形成されたものと考えられる.本発表では石垣島南方海域に分布する地形的高まりと海側傾斜断層の分布から,本海域のテクトニクスについて議論する.