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[SGC46-07] 栃木県八溝地域馬頭における斑れい岩−閃緑岩複合岩体の成因
キーワード:U-Pb年代、斑れい岩、閃緑岩
栃木県八溝地域馬頭における斑れい岩−閃緑岩複合岩体について、全岩・鉱物の主成分−微量元素組成分析、ジルコンのU-Pb年代分析、および薄片観察によるジルコンの産状記載を行い、その成因を明らかにした。馬頭閃緑岩中に含まれるジルコンは一般に、不定形のコア、オシラトリー累体構造を有するマントル、カソードルミネッセンスで暗色のリムを有する。また、馬頭閃緑岩中の鉱物晶出は斜長石−角閃石、黒雲母、石英−カリ長石の順であったことが、薄片観察に基づき明らかとなった。ジルコンのU-Pb年代分析の結果、角閃石・斜長石に包有される不定形コアは2165−161 Ma、黒雲母とほぼ同時期に形成したオシラトリーマントルは109.0 ±1.3 Ma、石英・カリ長石と同時期に形成した暗色リムは107.7 ±1.3 Maの年代をそれぞれ有する。一方で、斑れい岩から分離したジルコンは105.7 ±1.0 Maの年代を示す。また馬頭閃緑岩の全岩元素組成は、一般的な珪長質岩の部分溶融液と馬頭斑れい岩との混合により説明できる。このことから、 同複合岩体は基盤のジュラ紀堆積岩に苦鉄質マグマが貫入し、この堆積岩を同化して生じた閃緑岩に、斑レイ岩質マグマが貫入して形成されたと結論される。