日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学一般・GGOS

2018年5月23日(水) 13:45 〜 15:15 A09 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(海上保安庁海洋情報部)、若杉 貴浩(国土交通省国土地理院)、座長:新谷 昌人(東大地震研)、宮原 伐折羅(国土地理院)

15:00 〜 15:15

[SGD02-06] GEONET新解析戦略(F4)の開発

*阿部 聡1高松 直史1石川 典彦1木村 勲1川元 智司1畑中 雄樹1 (1.国土交通省国土地理院)

キーワード:GEONET、ITRF2014、GNSS

国土地理院では日本列島の地殻変動監視等を目的として、電子基準点の日々の座標値を算出している。1996年にGEONET(GNSS連続観測システム)の運用を開始して以来、3度の改良を経て、2009年から現行の解析戦略(F3)で座標値の算出を行っている。前回の改良から9年が経過し、基準座標系や解析ソフトウェアが更新されたことを踏まえて、新たな解析戦略(F4)の構築を進めている。主な改良事項として、(1)基準座標系の更新、(2)解析のマルチGNSS化、(3)対流圏遅延モデルの更新、(4)解析固定点算出手法の安定化の4つを検討している。本講演では、F4プロトタイプの結果について報告する。

F4プロトタイプでは、ITRF2014座標系に準拠させた解析固定点の座標を算出し、その座標を固定して、電子基準点全点の解析を、GPSとGLONASSそれぞれで実施する。これにより、F4解はGPS、GLONASSの2系統で得られるが、両者の結合解も計算するため、全部で3通りの解が得られることとなる。なお、GLONASSで得られた基線解析結果には8日を周期とする座標値の変動が現れる。このノイズを低減するために、(1)GLONASSの正規方程式から対流圏遅延に関する項を取り除き、(2)GLONASSの正規方程式にHelmert変換パラメータを追加した上でGPSの正規方程式と結合し、(3)得られた正規方程式を解く、といった手法を採ることとした。
本講演では、上記プロトタイプの結果を示し、F3解析との違いについて議論を行う。