日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS08] 活断層と古地震

2018年5月21日(月) 15:30 〜 17:00 301B (幕張メッセ国際会議場 3F)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、近藤 久雄(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)、道家 涼介(神奈川県温泉地学研究所、共同)、松多 信尚(岡山大学大学院教育学研究科)、座長:小荒井 衛(茨城大学)、加納 靖之 (京都大学 防災研究所 附属地震予知研究センター)

16:45 〜 17:00

[SSS08-06] 別府湾・日出断層群はどうやって形成されたか?

*原口 強1竹村 恵二2 (1.大阪市立大学大学院理学研究科、2.京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設)

キーワード:別府湾、日出沖断層群、側方移動型地溝

別府湾内では,浅海底音波探査によって明瞭な断層が確認されてきた.断層を挟んだ地層の年代対比から,断層の活動履歴も明らかにされてきた.日出沖断層群はその典型で,短い正断層群から構成されている.ところが断層直下の深部反射面は,断層で途切れることなく連続している.断層の変位は,地下へ連続しないのである.そのメカニズム解明のために,断層を横切る延長10km以上の連続する音波探査を実施した.連続断面には,引張部と圧縮部を示す構造が確認された.この構造は,浅部の地層だけが動いた時に出来る現象である.すなわち,断層は,幅4km,長さ8km,厚さ60m程度の軟弱泥層が側方移動した際,引張域に生じたLateral-spread grabenであった.このような理由から,日出沖断層群は震源断層に連続する断層とすることはできない.