[SSS08-P14] 断層セグメントの細分化ー糸魚川–静岡構造線活断層帯神城断層を例にー
キーワード:活断層、断層セグメント、神城断層
活断層から発生する地震を評価する際,断層セグメント区分は地震の規模を予測するうえで非常に重要な要素である.しかしながら実際の地震時には,各セグメントが区分どおり活動するわけではなく,隣接するセグメントと連動して活動したり,セグメントの一部のみが活動したりするなど,複雑である場合が多い.こうしたケースも考慮すると,セグメント区分を行う上では,単位活動区間よりもさらに短い長さの小セグメント(セクション)を設定することが望ましい.本研究では,糸魚川–静岡構造線断層帯の神城断層を対象として,地形起伏,平均変位速度,断層の地表ジオメトリをもとに数km~10数kmの長さの4つのセクションに区分した.これらのセクションは,河川の下刻の進行に伴う地下の応力状態の変化や,断層先端部の移動によって生じたものであり,セグメント区分を行う上で地形,地質構造の発達過程も重要であることを示している.また,区分したセクションと,2014年11月22日に発生した長野県北部の地震時の変位量分布,余震活動の比較から,地震時の活動区間を規制するような意味のあるセクション区分を行う上では,各セクションがどの程度の空間スケールの地形,地質構造を反映したものなのかを明らかにすることが重要だとわかった.