日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS09] 地殻変動

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 コンベンションホールB(CH-B) (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:落 唯史(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター 活断層・火山研究部門)、大園 真子(北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター)、座長:山崎 雅三井 雄太

14:15 〜 14:30

[SSS09-03] 時間を含めた日本列島の4D地殻変動の可視化とブロック構造

*小池 遥之1原田 靖1 (1.東海大学 海洋学部 海洋地球科学科)

キーワード:4次元可視化、地殻変動、ブロック運動

国土地理院のF3解を用いて、日本全国1300点あまりの1997年から2017年までのGPSデータを、時間を含めた4次元データとして1つのVRMLファイルに収めることに成功した。VRMLは3次元可視化の為のフリーのツールである。F3解は緯度、経度、高さのからなるGPSの変動値の日々のデータを収録しているので、月ごとに平均を取り各月の代表値を一点で表した。各年ごとに点の色を変えることによって時間変動を表した。年間数cmの運動を可視化する為に20万倍から100万倍に変動量を誇張してVRMLに格納した。このことによってこのVRMLファイルを見れば、各観測点の時間変動を3次元的にとらえることが非常に容易になる。
今回作られたVRMLファイルから、まず日本列島は東北日本と西南日本で3次元的な運動方向に顕著な違いがあり、地震活動に伴った地殻変動が最も顕著である。次に東日本大震災前には日本全体で沈降運動より隆起運動が卓越している。震災後は東北地方において独自の上下運動を起こしている。北海道北東部、渡島半島地域、東北地方西部、中国地方にほとんど内部変形の無いブロック的な動きをしている場所が見受けられた。この日本のブロック構造は例えば、Brendan et al., 2017 の日本のブロックモデルと比較しても良く一致しているとは言えない結果となった。