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[SSS13-06] 千島海溝沿い超巨大地震の発生確率と不確定性
キーワード:超巨大地震、千島海溝、地震確率、BPT分布、ポアソン分布
北海道東部の津波堆積物の調査から,十勝沖から根室沖を震源とする超巨大地震(17世紀型)が繰り返し発生したことが推定されている.政府地震調査委員会は,繰り返し発生する地震に対するBPT分布モデルを用いて,今後30年以内の地震発生確率は7~40%と評価した.また,震源域が不特定な地震として,ポアソン過程モデルを適用して5 ~9%と評価した.
本報告では,調査委員会報告書に記載された超巨大地震発生時期のデータに基づき,まず Parson(2008)の方法に従いBPT分布の時系列とポアソン過程の時系列をそれぞれ同じ条件で発生させ,超巨大地震発生時期に合致する時系列の数を比べることで,両モデルの尤度を比べることとする.次に,地震発生時期に関する二つの信頼区間に基づき,一つの時系列に含まれる各地震の発生時と信頼区間との相対位置による重みから各時系列の重みを与えた.それぞれのモデルについて全時系列の重みを合計し,それらを地震発生時期が信頼区間で与えられる場合の尤度と見なした.
藻散布沼で得られた津波堆積物の推定堆積期間(+/-2s:地震調査委員会報告 2017 表7)において,各期間で発生確率が一様とした場合では,BPT分布モデルの合致数が 177万件(パラメータ1万組の各組において20万時系列を生起)に対して,ポアソン過程モデルでは245万件となる.ポアソン過程モデルの尤度がBPT分布モデルのおよそ1.38倍であるといえる.同様に,二通りの信頼区間を考慮した場合には,ポアソン過程モデルはBPT分布モデルの約1.2倍となる.これらから,超巨大地震(17世紀型)の確率算出において,ポアソン過程モデルをBPT分布モデルと少なくとも同程度の重みにするのが妥当であるといえる.
本報告では,調査委員会報告書に記載された超巨大地震発生時期のデータに基づき,まず Parson(2008)の方法に従いBPT分布の時系列とポアソン過程の時系列をそれぞれ同じ条件で発生させ,超巨大地震発生時期に合致する時系列の数を比べることで,両モデルの尤度を比べることとする.次に,地震発生時期に関する二つの信頼区間に基づき,一つの時系列に含まれる各地震の発生時と信頼区間との相対位置による重みから各時系列の重みを与えた.それぞれのモデルについて全時系列の重みを合計し,それらを地震発生時期が信頼区間で与えられる場合の尤度と見なした.
藻散布沼で得られた津波堆積物の推定堆積期間(+/-2s:地震調査委員会報告 2017 表7)において,各期間で発生確率が一様とした場合では,BPT分布モデルの合致数が 177万件(パラメータ1万組の各組において20万時系列を生起)に対して,ポアソン過程モデルでは245万件となる.ポアソン過程モデルの尤度がBPT分布モデルのおよそ1.38倍であるといえる.同様に,二通りの信頼区間を考慮した場合には,ポアソン過程モデルはBPT分布モデルの約1.2倍となる.これらから,超巨大地震(17世紀型)の確率算出において,ポアソン過程モデルをBPT分布モデルと少なくとも同程度の重みにするのが妥当であるといえる.