日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT47] Recent Advances in Exploration Geophysics (RAEG2018)

2018年5月24日(木) 10:45 〜 12:15 A11 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:三ケ田 均(京都大学大学院工学研究科)、飯尾 能久(京都大学防災研究所)、島 伸和(神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻、共同)、武川 順一(京都大学大学院工学研究科)、座長:武川 順一三ケ田 均

11:45 〜 12:00

[STT47-11] 奥会津地熱地域における涵養注水試験時の高分解能微小地震モニタリング

★招待講演

*岡本 京祐1易 利1浅沼 宏1岡部 高志2阿部 泰行3都築 雅年4 (1.(国研)産業技術総合研究所、2.地熱技術開発(株)、3.奥会津地熱(株)、4.(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

キーワード:地熱貯留層、微小地震モニタリング、涵養注水

奥会津地熱地域では蒸気生産量の安定化を図るために,2015年度に涵養注水試験が行われた(1回目:2015年6月-8月,2回目:11月-12月)。本涵養注水の際に,当該地域に設置した9点(地表5点,坑内4点)の微小地震計で観測された微小地震記録を利用して,流体挙動把握を試みたので報告する。

微小地震のイベント決定に際して,1,000Hzサンプリングで収録されたデータに対して,P波,S波の目視読み取りを行った。更に,決定された微小地震群に対して,波形相関を利用した震源クラスタ解析を適用することで,より高分解能な微小地震分布を求めた。この高分解能微小地震決定を用いることで,涵養注水に際して,大きく分けて3パターンの微小地震空間分布傾向が存在することが分かった。同時に,その3パターンの空間分布傾向は,地下の流動分布の違い(坑口圧力より推定)と明確な関係性を有することが明らかとなった。これより,高分解能な微小地震観測を行うことで,涵養注水に伴う地下流動の変化を予測できることが分かった。

本研究はJOGMECの地熱発電技術に関する委託研究「地熱貯留層評価・管理技術」の一環として行われた。ここに記して感謝の意を表す。