15:00 〜 15:15
[STT48-06] 先進レーダ衛星(ALOS-4)ミッションの概要
★招待講演
キーワード:合成開口レーダ、人工衛星、リモートセンシング、ALOS
本発表では、JAXAが開発中の先進レーダ衛星(ALOS-4)について、ミッションやシステムの概要および現在の状況を紹介する。ALOS-4は、日本がJERS-1、ALOS、ALOS-2と3世代の衛星にわたり開発してきたLバンド合成開口レーダ(SAR)を搭載する地球観測衛星である。ALOS-4のミッションは、以下の通りである:
(1) 高精度な地殻・地盤変動監視を実現し、異変を早期に発見可能とする。そのために広域・高分解能観測に必要な技術開発を行い、日本全土の観測頻度を、ALOS-2の年4回程度から年20回以上に向上させる。
(2) ALOS-2 のミッションである全天候型の災害観測、森林観測、海氷監視、船舶動静把握等の継続的かつより高度な活用を図るとともに、インフラ変位モニタのような新分野での利用を実用化させる。
これらの目的を達成するため、ALOS-4は、多くの新規開発技術を採用し、ALOS-2に比べて機能・性能を大きく向上させる。Table 1に、ALOS-4の主要諸元をALOS-2の比較と共に示す。SARシステム(PALSAR-3)は、デジタルビームフォーミング(DBF)を新たに採用することで同時に複数のビームを受信可能とし、これまでの分解能や画質性能を維持したまま、観測幅を拡大する。観測モードは、スポットライトモード、高分解能モード(ストリップマップ方式、3/6/10 m分解能)、広域観測モード(スキャンSAR方式)の3種類であり、ALOS-2でよく用いられている主要な観測モードの性能をTable 2に示す。干渉SAR解析における電離層ノイズ補正のために、Lバンド84 MHzの中の離れた二つの帯域を観測するモードも新たに具備する。衛星バスシステムについても、Kaバンド通信の採用によるデータ伝送の高速化、データレコーダの大容量化、軌道決定精度の向上、長寿命化などの多くの向上が図られている。衛星の軌道や観測幾何は、ALOS-2と同一とすることで、ALOS-2とALOS-4の間での干渉SAR解析、ALOS-2で開発されたアプリケーションの高い継続利用性、ALOS-2からの10年以上の長期間の解析、等を可能とする。2018年2月現在、ALOS-4は詳細設計フェーズにあり、打上げは2020年度を計画している。
(1) 高精度な地殻・地盤変動監視を実現し、異変を早期に発見可能とする。そのために広域・高分解能観測に必要な技術開発を行い、日本全土の観測頻度を、ALOS-2の年4回程度から年20回以上に向上させる。
(2) ALOS-2 のミッションである全天候型の災害観測、森林観測、海氷監視、船舶動静把握等の継続的かつより高度な活用を図るとともに、インフラ変位モニタのような新分野での利用を実用化させる。
これらの目的を達成するため、ALOS-4は、多くの新規開発技術を採用し、ALOS-2に比べて機能・性能を大きく向上させる。Table 1に、ALOS-4の主要諸元をALOS-2の比較と共に示す。SARシステム(PALSAR-3)は、デジタルビームフォーミング(DBF)を新たに採用することで同時に複数のビームを受信可能とし、これまでの分解能や画質性能を維持したまま、観測幅を拡大する。観測モードは、スポットライトモード、高分解能モード(ストリップマップ方式、3/6/10 m分解能)、広域観測モード(スキャンSAR方式)の3種類であり、ALOS-2でよく用いられている主要な観測モードの性能をTable 2に示す。干渉SAR解析における電離層ノイズ補正のために、Lバンド84 MHzの中の離れた二つの帯域を観測するモードも新たに具備する。衛星バスシステムについても、Kaバンド通信の採用によるデータ伝送の高速化、データレコーダの大容量化、軌道決定精度の向上、長寿命化などの多くの向上が図られている。衛星の軌道や観測幾何は、ALOS-2と同一とすることで、ALOS-2とALOS-4の間での干渉SAR解析、ALOS-2で開発されたアプリケーションの高い継続利用性、ALOS-2からの10年以上の長期間の解析、等を可能とする。2018年2月現在、ALOS-4は詳細設計フェーズにあり、打上げは2020年度を計画している。