[S-TT48] 合成開口レーダー

[STT48-11] ALOS-2のInSARによるgrounding line検出特性

*山之口 勤¹、土井 浩一郎²、中村 和樹³、青木 茂⁴ (1.一般財団法人　リモート・センシング技術センター、2.国立極地研究所、3.日本大学工学部、4.北海道大学低温科学研究所)

キーワード：InSAR、grounding line、潮汐変動

ALOS-2は打ち上げから4年近くたち、順調に運用されている。極域における観測時に観測モード・ビームが固定されるような地域も設定され、InSARやOffset Trackingといった質量収支把握に有効な解析に適したデータの取得も実現されつつある。こうした背景から、かねてよりL-band SARを用いたgrounding line検出を行っている筆者らは、ALOS-2についても強い期待を抱いてきていた。しかしながら、いくつかの14日及び28日時間差のALOS-2データを用いた4パスInSAR解析の結果、干渉性は十分高いもののgrounding lineが検出されない、フリンジが出ないという事態に遭遇している。これは、打ち上げ前からALOS-2では指摘されていた、M2やMm分潮の周期が、ALOS-2の回帰周期の倍数に極めて近いことがその原因である可能性がある。そこで本研究では、grounding lineが検出されなかったペアについて、潮汐モデルから改めて潮汐による振幅のを確認を行い、その検証を行う。その際、局所的な潮汐の影響も考慮し、これまでターゲットとしていた東南極域だけでなく、西南極域やグリーンランドにおいても同様な現象が発生していないか確認を行う。また、Sentinel-1を用いて同地域のgrounding line検出を行い、比較検証も行う予定である。