[STT48-P09] InSAR解析を用いた吾妻山周辺の地殻変動量推定: 大気遅延補正の試み
日本はプレートの境界に位置しているため地震や火山活動などの自然災害が多い。最近でも御嶽山や草津白根山など火山の噴火による災害が起きている。火山防災の観点から火山に対する継続的・多面的なモニタリングが必要である。
私たちは福島県の吾妻山を対象とし、火山の継続的なモニタリングの手法確立を目指している。
吾妻山は福島県にある連峰火山で2014年12月から2016年10月まで噴火警戒レベル2だった活火山である。私たちはモニタリング手法の一つとして2014年9月から2016年5月の期間における吾妻山を対象とした衛星データを用いたInSAR (Interferometric Synthetic Aperture Radar) 解析による地殻変動量の推定を行った。結果、2014年9月から2015年6月にかけて吾妻山東側の大穴火口付近の隆起、2015年9月から2015年10月にかけて山体の沈降、さらに2015年11月から2016年11月にかけて大穴火口付近の沈降の傾向が見られた。
しかし、これらの干渉解析結果画像には地形との相関性が見られた。結果には大気遅延の影響が含まれている場合が多く、正しい結果が得られているとは考え難いと解釈した。 私たちはさらにInSAR解析の結果とGNSS(Global Navigation Satellite System)観測の比較を行った。地形相関が顕著な解析ペアでは比較結果で大きな差が生じていることがわかった。これは大気遅延補正処理を行わずに比較したためと考えられる。そこでメソ数値予報モデルを用いた大気遅延補正処理を試みた。その結果、当初解析を行った2014/9/9-2015/11/3ペアで見られていた吾妻山西部の沈降が、補正後には消え、大穴火口付近の隆起が強調された。
本研究では、水平格子間隔の異なるMSM(MesoScale Model), MANAL(Meso Analysis), LFM(Local Forecast Model)の3つの気象モデルで大気遅延補正処理をした結果も比較して議論する。各気象モデルが補正結果にもたらす傾向を分析し、最も大気遅延補正処理に適したモデルの選定に努める。そして、大気遅延補正処理を行った結果をもとにGNSS観測値との比較を改めて行う。さらに、茂木モデルを用いたマグマの球状圧力源のモデリングを行い、火山の継続的なモニタリングを試みる。
私たちは福島県の吾妻山を対象とし、火山の継続的なモニタリングの手法確立を目指している。
吾妻山は福島県にある連峰火山で2014年12月から2016年10月まで噴火警戒レベル2だった活火山である。私たちはモニタリング手法の一つとして2014年9月から2016年5月の期間における吾妻山を対象とした衛星データを用いたInSAR (Interferometric Synthetic Aperture Radar) 解析による地殻変動量の推定を行った。結果、2014年9月から2015年6月にかけて吾妻山東側の大穴火口付近の隆起、2015年9月から2015年10月にかけて山体の沈降、さらに2015年11月から2016年11月にかけて大穴火口付近の沈降の傾向が見られた。
しかし、これらの干渉解析結果画像には地形との相関性が見られた。結果には大気遅延の影響が含まれている場合が多く、正しい結果が得られているとは考え難いと解釈した。 私たちはさらにInSAR解析の結果とGNSS(Global Navigation Satellite System)観測の比較を行った。地形相関が顕著な解析ペアでは比較結果で大きな差が生じていることがわかった。これは大気遅延補正処理を行わずに比較したためと考えられる。そこでメソ数値予報モデルを用いた大気遅延補正処理を試みた。その結果、当初解析を行った2014/9/9-2015/11/3ペアで見られていた吾妻山西部の沈降が、補正後には消え、大穴火口付近の隆起が強調された。
本研究では、水平格子間隔の異なるMSM(MesoScale Model), MANAL(Meso Analysis), LFM(Local Forecast Model)の3つの気象モデルで大気遅延補正処理をした結果も比較して議論する。各気象モデルが補正結果にもたらす傾向を分析し、最も大気遅延補正処理に適したモデルの選定に努める。そして、大気遅延補正処理を行った結果をもとにGNSS観測値との比較を改めて行う。さらに、茂木モデルを用いたマグマの球状圧力源のモデリングを行い、火山の継続的なモニタリングを試みる。