日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT48] 合成開口レーダー

2018年5月21日(月) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:森下 遊(国土地理院)、小林 祥子(玉川大学)、木下 陽平(一般財団法人リモート・センシング技術センター、共同)、阿部 隆博(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター)

[STT48-P15] ヒマラヤ東部地域における氷河上湖の季節変動

*杵淵 千香子1奈良間 千之2山之口 勤3田殿 武雄4 (1.新潟大学大学院自然科学研究科、2.新潟大学理学部理学科、3.一般財団法人 リモート・センシング技術センター、4.JAXA)

キーワード:ALOS-2/PALSAR-2、氷河上湖、デブリ氷河

ヒマラヤ東部地域(ネパール東部・ブータン)に現存する巨大な氷河湖は,1950~1960年頃に出現した氷河上湖が連結して拡大したものである(Ageta et al., 2000).一方,2009年のチョゾ氷河では巨大な氷河湖を持たないにもかかわらず,氷河上湖を供給源とする大規模出水が生じ,プナカの住人の混乱を招いた(Komori et al., 2012).氷河上湖は,連結して巨大な氷河湖に発達するものや,季節変動してチョゾ氷河のように大規模出水を引き起こすものもある.氷河上湖の変動に関しては,3年間で面積が大きく変化する報告(Benn et al., 2017)や異なる年のデータから季節変動を示す報告(Watson et al.,2015)があるが,1年間の季節変動は明らかでない.ヒマラヤ地域の将来的な氷河湖拡大や大規模出水は,氷河上湖が大きく関わっているのだが,その発達プロセスや季節サイクルはよくわかっていない.その理由の1つとして,夏季のインドモンスーンの発達で6~9月にかけて雲で覆われるために,夏季の氷河上湖の変動が衛星画像で捉えられないという問題がある.そこで本研究では,雲を透過して地上の湖面データを取得できるマイクロ波のALOS-2/PALSAR-2のオルソ画像とLandsat8/OLIのパンシャープン画像を組み合せ,2015~2017年の3年間のヒマラヤ東部地域のデブリ氷河の氷河上湖の季節変動を調べた.