[STT50-P09] JavaScriptによる地震波形表示の試み
IT強震計(鷹野他 2004)などでは、波形の表示にWeb 画面上で動作するJavaアプレットを使用してきた。この表示は、httpサーバからダウンロードした波形ファイルをローカルPCのJava実行環境上で展開・描画するため、それまでのサーバで作図して画像ファイルをブラウザで表示するという方式よりも再描画のレスポンスが速いという利点があった。しかしながら、HTML5の仕様が公開されて以降、各ブラウザが次々にJavaアプレットのサポート打ち切りを表明し、システムの使用を継続するためには代替表示機能が必要となっていた。そこで、HTML5の描画機能とJavaScriptを使用して、同様のWebブラウザ上で動作する波形表示機能を実現した。Javaアプレットのセキュリティ上の制限からの開放や、実行想定環境をJavaアプレット版を開発した15年前のものから現在のものに変更して開発した結果、扱えるデータ量が増加し、汎用性が高いものになった。従来のJavaアプレットのように、WebサーバがCGIで作成する表示に埋め込むことはもちろん、単独で波形表示アプリケーションプログラムのように使用することもできる。JavaScriptであるため、html内にURLを指定しておけば、自サイトないしはローカルマシン上にJavaScriptファイルを配することなく利用できるため、利便性がが高い。波形ファイルのフォーマットは、IT強震計のものだけでなく、win(RAW型式)、WIN32、強震WIN32、建研AC、白山A5、東測WIN32(*.t3w)、aLab RAWに対応している。仕様が公開されているフォーマットについては、今後も対応を進める予定である。