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[SVC41-19] 御嶽山山頂に設置した多点観測試験データを用いた山頂付近の地震活動
キーワード:御嶽山、地震活動、近傍観測
2017年10月より,名古屋大学では御嶽山山頂でのリアルタイム多点地震観測を試験的に行っている.今後の本格的な観測に向け,株式会社計測技研と共同開発した小型・低消費電力の地震観測テレメータ装置(堀川他,2017火山学会)の試験運用として設置したものである.過酷な環境である山頂で連続運用ができるか,ソーラーでの充電状況,雪の影響などをチェックするため御嶽山山頂に10点設置したが,1点は初期不良, 1点は通信状況が悪く現地収録となっている.また1点は設置トラブルで外部電源なしでの運用となったため約1ヶ月間しかデータがとれなかった.従って7観測点での運用となっている.さらに1月10日と2月9日に2観測点で地震計の電源に使用している外部補助電源のトラブルがありアンプが働いていない状況になってしまった.その他の5観測点については現時点でも順調にデータをリアルタイムで送ってきている.
今回これらのデータに加え,御嶽山から概ね10km以内にある名大の定常観測点8点,気象庁の9点を加えて2017年11月~2018年1月の3ヶ月の自動検測を行ってみた.御嶽山山頂は南北に3kmと細長い上に東西方向に多少広げた観測点がトラブっているため,観測点配置はほぼ直線上になってしまった.それでも山頂域の地震として3ヶ月間で約170個の震源が決まった.定常観測網でこの期間に決められた山頂付近の地震は31個しかない.これらの地震は剣ヶ峰の南西から西の領域(地獄谷西側)で2014年噴火の火口列周辺に集中しており,深さは用いる構造にもよるが海抜付近からやや浅いところに求まった.現在でも2014年火口列の噴気活動が続いており,赤外熱映像装置による観測でも火口列周辺に高温領域がある(第140回噴火予知連)ことから,まだこの周辺では活動が続いていると見られる.
一方,御嶽山北部にはこれまで地震計が全くなかったため,規模の小さな地震が起きてもわからない状態であった.今回山頂北部にも地震計を設置してみたが,この3ヶ月間で地震は全く起きていなかった.
今回これらのデータに加え,御嶽山から概ね10km以内にある名大の定常観測点8点,気象庁の9点を加えて2017年11月~2018年1月の3ヶ月の自動検測を行ってみた.御嶽山山頂は南北に3kmと細長い上に東西方向に多少広げた観測点がトラブっているため,観測点配置はほぼ直線上になってしまった.それでも山頂域の地震として3ヶ月間で約170個の震源が決まった.定常観測網でこの期間に決められた山頂付近の地震は31個しかない.これらの地震は剣ヶ峰の南西から西の領域(地獄谷西側)で2014年噴火の火口列周辺に集中しており,深さは用いる構造にもよるが海抜付近からやや浅いところに求まった.現在でも2014年火口列の噴気活動が続いており,赤外熱映像装置による観測でも火口列周辺に高温領域がある(第140回噴火予知連)ことから,まだこの周辺では活動が続いていると見られる.
一方,御嶽山北部にはこれまで地震計が全くなかったため,規模の小さな地震が起きてもわからない状態であった.今回山頂北部にも地震計を設置してみたが,この3ヶ月間で地震は全く起きていなかった.