11:30 〜 11:45
[SVC41-46] 霧島新燃岳2017年噴火後の重力変化
キーワード:重力、霧島新燃岳、ハイブリッド測定
[1]はじめに
霧島新燃岳では2017年10月11日に噴火を始め、10月14日までに数十万トンの火山灰を放出すると共に、10月15日には1日当たりのSO2放出量が11,000トンを超えるなどの火山活動が高まった。これをうけて地震研究所重力グループでは、マグマの移動をモニタリングするために、絶対重力計による連続観測を2017年11月2日に開始した。また、新燃岳南側の数点でのハイブリッド重力測定も約40日毎に繰り返した。本講演では観測された重力変動を紹介し、火山体内の物理現象について考察を進めたい。
[2]観測概要
絶対重力計FG5は、地震研究所霧島火山観測所(KVO)に設置し、2分に1回落体を落下させて重力値を測定した。設置点は新燃岳の北西6kmにあり、2011年の活動時に地殻変動から推定された深部マグマだまりのほぼ直上にある。絶対重力測定値は標準偏差10-20 microgalの正規分布であったので、日平均値を計算するとその確度は0.5-1.0 microgalと見積もられる。また、時空間変動を調べるために、KVOを基準点として、新燃岳の南方3kmにある高千穂河原に至る路線上の3か所で相対測定(ハイブリッド測定)を約40日毎に繰り返した。
[3]重力変動の特徴とその解釈
2018年2月現在までのKVOの絶対重力変化の特徴をまとめると以下のようになる。
1) 2017/11/5 - 11/15 ほぼ一定(変動量±1 microgal)
2) 2017/11/15- 2017/12/10 重力は顕著な減少 (-10 microgal/month)
3) 2017/ 12/10ごろ~: ほぼ一定。ただし、大量降水(大雪)の影響が見られる
また、時空間的にみても、新燃岳に近づくにつれて重力減少量が増大し、3か月間の減少量は-20~-50 micorogalという顕著な変化を示した。
一方、地殻変動はGNSSによると霧島連山をまたぐ基線の基線長は伸び続けているのに対し、高千穂河原の傾斜計は新燃岳方向が下がり続けている。これらを総合した解釈についても、提示する予定である。
霧島新燃岳では2017年10月11日に噴火を始め、10月14日までに数十万トンの火山灰を放出すると共に、10月15日には1日当たりのSO2放出量が11,000トンを超えるなどの火山活動が高まった。これをうけて地震研究所重力グループでは、マグマの移動をモニタリングするために、絶対重力計による連続観測を2017年11月2日に開始した。また、新燃岳南側の数点でのハイブリッド重力測定も約40日毎に繰り返した。本講演では観測された重力変動を紹介し、火山体内の物理現象について考察を進めたい。
[2]観測概要
絶対重力計FG5は、地震研究所霧島火山観測所(KVO)に設置し、2分に1回落体を落下させて重力値を測定した。設置点は新燃岳の北西6kmにあり、2011年の活動時に地殻変動から推定された深部マグマだまりのほぼ直上にある。絶対重力測定値は標準偏差10-20 microgalの正規分布であったので、日平均値を計算するとその確度は0.5-1.0 microgalと見積もられる。また、時空間変動を調べるために、KVOを基準点として、新燃岳の南方3kmにある高千穂河原に至る路線上の3か所で相対測定(ハイブリッド測定)を約40日毎に繰り返した。
[3]重力変動の特徴とその解釈
2018年2月現在までのKVOの絶対重力変化の特徴をまとめると以下のようになる。
1) 2017/11/5 - 11/15 ほぼ一定(変動量±1 microgal)
2) 2017/11/15- 2017/12/10 重力は顕著な減少 (-10 microgal/month)
3) 2017/ 12/10ごろ~: ほぼ一定。ただし、大量降水(大雪)の影響が見られる
また、時空間的にみても、新燃岳に近づくにつれて重力減少量が増大し、3か月間の減少量は-20~-50 micorogalという顕著な変化を示した。
一方、地殻変動はGNSSによると霧島連山をまたぐ基線の基線長は伸び続けているのに対し、高千穂河原の傾斜計は新燃岳方向が下がり続けている。これらを総合した解釈についても、提示する予定である。