[SVC41-P26] 精密水準測量によって検出された箱根火山2015年噴火後の上下変動(2015-2017)
キーワード:箱根火山、精密水準測量、上下変動
箱根火山では 2001 年以降、群発地震や地殻変動など、火山活動の活発化がたびたび認められてきたため、2015年、中央火口丘北部を横断する県道 734~735 号に路線距離11km、水準点41点で構成される水準路線を設置した。全路線の測量は2015年6月に大涌谷で発生した小噴火に間に合わなかったが、2015年12月、 2016 年 9月、2017 年 12 月に実施し、噴火後の変動をとらえることが出来た。2015 年 12 月―2016 年 9 月の期間では、二ノ平にある GEONET 箱根観測点を参照点として、大涌谷で 18mm の沈降、二ノ平から桃源台に向かう路線で 5mm の沈降が検出された。2016年 9月-2017 年 12 月の期間では、大涌谷は 12mm の沈降を示したが、二ノ平から桃源台に向かう路線では 7mm の隆起が検出された。
参照点とした GEONET 箱根観測点は、小田原を基準として、2015 年 12 月―2016 年 9 月の間に15mm の沈降、2016 年 9 月-2017 年 12 月には 8mm の隆起を示している。GEONET 箱根観測点の上下変動を水準測量の結果に加え補正した場合、中央火口丘北部では、2015 年噴火のあと約半年間は沈降を示したが、その後わずかな隆起に転じた点は注目される。一方、大涌谷では噴火後、局所的な沈降を継続し、2015 年-2017 年の沈降量はGEONET 箱根観測点の変動量を加えると 37mm に達する。
参照点とした GEONET 箱根観測点は、小田原を基準として、2015 年 12 月―2016 年 9 月の間に15mm の沈降、2016 年 9 月-2017 年 12 月には 8mm の隆起を示している。GEONET 箱根観測点の上下変動を水準測量の結果に加え補正した場合、中央火口丘北部では、2015 年噴火のあと約半年間は沈降を示したが、その後わずかな隆起に転じた点は注目される。一方、大涌谷では噴火後、局所的な沈降を継続し、2015 年-2017 年の沈降量はGEONET 箱根観測点の変動量を加えると 37mm に達する。