14:00 〜 14:15
[SVC42-02] 吾妻山・安達太良山周辺の地殻電気伝導度構造
キーワード:比抵抗・電気伝導度、MT法
吾妻山・安達太良山周辺の地殻内電気伝導度構造の推定を行う為,吾妻山大穴火口を中心とする約20km四方の領域に21観測点を設けて地磁気地電流(MT)及び地磁気変換関数(GDS)観測を行い,3次元電気伝導度構造を推定した.
データは各観測点32Hzサンプリングを3~7日間,1024Hzサンプリングを10~30時間それぞれ取得した.取得したデータはBIRRPコード (Chave & Thomson, 2004 GJI)で応答関数を計算し,MT,GDS両応答関数からWSINV3DMTコード (e.g. Siripunvaraporn & Egbert, 2009 PEPI)を用いて3次元電気伝導度構造推定を行った.
得られたモデルでは,0.03 S/m以上の領域が大穴火口の海抜下5 kmの深さを中心に南北25 km, 東西15 km,鉛直 10 kmの3軸楕円体状に広がっている.大穴火口と箕輪山付近(安達太良山の北3km)にかけての2か所には,火道を示唆するような直径2,3 kmの管状の高伝導体が3軸楕円体領域から延伸する様子が推定された.又,高伝導3軸楕円体内では,大穴火口直下と幕川温泉直下(土湯峠から箕輪山より稍北)の海抜下4 kmの深さに0.3 S/m以上の高伝導領域の極大領域が見られる.一方吾妻小富士より東側の領域は全般的に電気伝導度0.003 S/m以下となっている.
得られた0.03 S/m以下の3軸楕円体の領域は,Takada & Fukushima (2013 Nat. Geo.)の低粘弾性領域と非常によく調和している.3軸楕円体内の2つの高伝導極大領域は,吾妻山と安達太良山火山下の熱水・マグマ溜りの中心部を示唆している.3軸楕円体の高伝導・低粘弾性領域が熱水・マグマだまりであると解釈すると,吾妻山と安達太良山の熱水・マグマ溜りは一体であると解釈できる.一元化震源では,吾妻小富士の東側に深さ20 kmを上限として深部低周波地震が観測されているが,その領域は一様に低伝導領域となっている.
謝辞:本観測は「全国の火山研究者の連携による機動的多項目火山観測研究システムの構築」事業費を使用した.東京大学地震研究所の森田裕一教授,上嶋誠教授には観測機材調達の便宜を図って頂いた.
データは各観測点32Hzサンプリングを3~7日間,1024Hzサンプリングを10~30時間それぞれ取得した.取得したデータはBIRRPコード (Chave & Thomson, 2004 GJI)で応答関数を計算し,MT,GDS両応答関数からWSINV3DMTコード (e.g. Siripunvaraporn & Egbert, 2009 PEPI)を用いて3次元電気伝導度構造推定を行った.
得られたモデルでは,0.03 S/m以上の領域が大穴火口の海抜下5 kmの深さを中心に南北25 km, 東西15 km,鉛直 10 kmの3軸楕円体状に広がっている.大穴火口と箕輪山付近(安達太良山の北3km)にかけての2か所には,火道を示唆するような直径2,3 kmの管状の高伝導体が3軸楕円体領域から延伸する様子が推定された.又,高伝導3軸楕円体内では,大穴火口直下と幕川温泉直下(土湯峠から箕輪山より稍北)の海抜下4 kmの深さに0.3 S/m以上の高伝導領域の極大領域が見られる.一方吾妻小富士より東側の領域は全般的に電気伝導度0.003 S/m以下となっている.
得られた0.03 S/m以下の3軸楕円体の領域は,Takada & Fukushima (2013 Nat. Geo.)の低粘弾性領域と非常によく調和している.3軸楕円体内の2つの高伝導極大領域は,吾妻山と安達太良山火山下の熱水・マグマ溜りの中心部を示唆している.3軸楕円体の高伝導・低粘弾性領域が熱水・マグマだまりであると解釈すると,吾妻山と安達太良山の熱水・マグマ溜りは一体であると解釈できる.一元化震源では,吾妻小富士の東側に深さ20 kmを上限として深部低周波地震が観測されているが,その領域は一様に低伝導領域となっている.
謝辞:本観測は「全国の火山研究者の連携による機動的多項目火山観測研究システムの構築」事業費を使用した.東京大学地震研究所の森田裕一教授,上嶋誠教授には観測機材調達の便宜を図って頂いた.