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[SVC42-09] 霧島火山硫黄山に付随する「えびの高原」の浅部熱水系に関する2,3の気づき
キーワード:霧島火山、硫黄山、えびの高原、硫化水素
霧島火山の硫黄山とそれに隣接する「えびの高原」は噴気地帯を伴う観光地として知られている.2015年の12月に硫黄山の火口において10数年ぶりに噴気が確認されて以降,現在に至るまで,硫黄山からえびの高原にかけて熱活動および噴気活動の拡大が続いている.また,それに伴い,えびの高原内の沢筋にはいくつかの温湧水の湧出が認められるようになり,その水質の変化は同地域で観測される地震活動や地殻変動と良い対応を示している.さらに,温湧水に含まれる溶存硫化水素濃度や,その湧出口近傍での大気中の硫化水素と二酸化炭素濃度の変動からは,湧水は水に難溶の気体の良い輸送媒体となっていることが推察され,湧水の流路を介して,えびの高原の浅部熱水リザーバーの気相を広く地表へと効率的に導いているものと思われる.