[SVC43-P11] 全磁力繰り返し観測からみた2014~2017年の蔵王山の活動
キーワード:蔵王山、全磁力繰り返し観測
蔵王山は、山形県と宮城県の県境に位置しており、水蒸気噴火など多数の噴火記録が残されている活火山の一つである。2011年東北地方太平洋沖地震後、蔵王山直下では、2012年半ばから深部低周波地震が増加し、2013年以降は火山性地震や長周期地震が観測されている(山本 他, 2014)。我々は、1年に1回の頻度で蔵王山における全磁力繰り返し観測を実施し、地下の熱活動の推移を観測している。本研究では、2014年から2017年の4年間の全磁力変動データとその熱消磁解析について報告する。
蔵王山全磁力繰り返し観測点は、御釜を囲むように東西南北それぞれおよそ2 kmの範囲に14点を配置している。観測は、2014年6月20日、同10月16日、2015年8月6日、2016年8月4日、2017年6月20日に、地上高1.88 mあるいは2.00 mにおいて、10秒サンプリングで2分間行った。得られたデータは、御釜から東に約5.3 km離れた場所に設置した参照点のデータを用いて、外部擾乱の影響を取り除いた。その結果、2014年6月から2017年6月まで4年間の御釜周辺の全磁力変動は、消磁の空間パターンを示し、最大振幅は約6 nTであった。
2014年から2017年の4年間の全磁力変動から、3軸楕円体形状を仮定した熱消磁域の推定を行った。消磁磁化は、5 A/mを仮定し、3軸楕円体の位置、軸半径、姿勢をグリッドサーチによって求めた。市來 他 (2016)によると、2014年6月~10月の熱消磁域は、御釜の中心から北東700 m、地表面からの深さ350 mを中心とし、長軸・中軸・短軸半径がそれぞれ500・475・190 m、走行がほぼ東西で、プランジとヨー角がほぼ0度の消磁域が得られている。今回の解析結果は現在も計算中であり、2014年の4か月間の消磁域からの変化やモデルの解像度、さらに得られるモデルから示唆される噴火予測について考察する予定である。
謝辞:
解析にあたり、東京大学地震研究所地震火山情報センターの計算機システムを利用した。
蔵王山全磁力繰り返し観測点は、御釜を囲むように東西南北それぞれおよそ2 kmの範囲に14点を配置している。観測は、2014年6月20日、同10月16日、2015年8月6日、2016年8月4日、2017年6月20日に、地上高1.88 mあるいは2.00 mにおいて、10秒サンプリングで2分間行った。得られたデータは、御釜から東に約5.3 km離れた場所に設置した参照点のデータを用いて、外部擾乱の影響を取り除いた。その結果、2014年6月から2017年6月まで4年間の御釜周辺の全磁力変動は、消磁の空間パターンを示し、最大振幅は約6 nTであった。
2014年から2017年の4年間の全磁力変動から、3軸楕円体形状を仮定した熱消磁域の推定を行った。消磁磁化は、5 A/mを仮定し、3軸楕円体の位置、軸半径、姿勢をグリッドサーチによって求めた。市來 他 (2016)によると、2014年6月~10月の熱消磁域は、御釜の中心から北東700 m、地表面からの深さ350 mを中心とし、長軸・中軸・短軸半径がそれぞれ500・475・190 m、走行がほぼ東西で、プランジとヨー角がほぼ0度の消磁域が得られている。今回の解析結果は現在も計算中であり、2014年の4か月間の消磁域からの変化やモデルの解像度、さらに得られるモデルから示唆される噴火予測について考察する予定である。
謝辞:
解析にあたり、東京大学地震研究所地震火山情報センターの計算機システムを利用した。