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[U06-09] 2016年熊本地震が地域の地下水資源に与えた影響評価に対する日本地下水学会の取り組み
キーワード:2016年熊本地震、日本地下水学会、地震の水環境への影響
熊本地域は周辺住民約100万人の飲用水を地下水で賄う日本随一の「地下水都市」です。そのため熊本地域では持続的な地下水利用の一環として、100地点を優に超える地下水観測井戸が設置されており、広域の地下水観測ネットワークが敷かれています。このような「地下水都市」である熊本地域において、2016年4月に発生した熊本地震では、水道施設に多大な被害を与えると共に、水前寺成趣園の湧水の減少・江津湖周辺での新たな湧水の出現等、地下水環境への変化も認められ、地域の主要水資源の存亡が大きな懸念材料となりました。「熊本地震による地下水環境への影響評価プロジェクト」(熊本大学)では、地震後の地下水環境変化を明らかにするため、水位・水質・水温・化学トレーサーといった物理的・化学的指標を用いて研究を行なうとともに、地下水流動シミュレーションを用いた統合的な現象把握とこれらを踏まえた、地震に伴う地下水流動変化の科学的解明と学術成果の発信、地域地下水利用への情報提供を行うことを目標として, 日本地下水学会の「熊本地震調査・研究ワーキンググループ」(以下、WG)と共に熊本地域での野外調査や水文データの収集を進め、熊本地震と地下水に関する研究成果の蓄積と総括を行っています。 また、本プロジェクトは支援企業の「サントリー」および地下水保全活動を推進している「くまもと地下水財団」の3者間で連携し、WG会議や各報告会を通じてプロジェクト研究の成果を共有しており、その一環として今回の地球惑星連合大会においても、『A-HW24 熊本地震に伴う地表水と地下水の変化』のセッションにおいて、地震関連の研究者を交えてこれまでの成果を公開する予定です。