日本地球惑星科学連合2018年大会

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[JJ] 口頭発表

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[U-06] 連合は環境・災害にどう向き合っていくのか?

2018年5月23日(水) 15:30 〜 17:00 コンベンションホールA(CH-A) (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:奥村 晃史(広島大学大学院文学研究科)、川畑 大作(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門)、青木 賢人(金沢大学地域創造学類)、座長:川畑 大作宇根 寛

16:45 〜 17:00

[U06-11] あまみず社会実現のための降雨観測とIoT-DRR

*森山 聡之1 (1.福岡工業大学)

キーワード:あまみず社会、降雨観測、IoT-DRR、斜面崩壊の発生限界降雨

古来、稲作漁撈文明では主に住民が水管理を行ってきたが、近代化とともに水管理が公共に移され、住民の水意識が希薄になっている。このため「あまみず社会研究会(文献1)」では住民の水意識を取り戻すべく、多くのプロジェクトを進行させてきた。例えば、雨水タンクの設置や、あめにわの推進、水辺リング樋井川による住民との交流イベントなどである。そこに生起した平成29年7月九州北部豪雨は、被災地域が近代化後初めて迎える数百年に1度の豪雨であり(文献2)、多くの犠牲と混乱をもたらした。

本発表では、まず、AMeDASやXRAINレーダシステム等で観測されたデータをもとに、土砂災害の解析結果を報告する。
(1)平野らの斜面要素集合モデル(文献3)をもとに過去の土砂災害発生履歴から、発生限界降雨と斜面の到達時間を推定した。データが不明瞭であったため推定は困難であった。
(2)XRAINで観測されたCバンド及びXバンドレーダを用いた、到達時間(3時間を仮定)における流域最大の累加雨量(180分累加雨量の最大値)から斜面の崩壊面積率を推定する方法を開発した(文献4)。発生限界降雨量の平均と分散を最小自乗法により推定した。崩壊面積に土圧をかければ崩壊土砂量が推定され、立木密度をかければ流木量を推定できる。

さらにIoT-DRR(Internet of Things for Disaster Risk Reduction)として、
(3)研究会が実施しているスマート雨水タンク(文献5)を紹介し、災害時に断水のために避難所に避難する住民を減らそうと提案する。
(4)中小河川では河川水位がモニタリングされていないことから、これをIoTにより安価に実現するとともに、精度よく河川水位を計算する方法(文献6,7,8)や冗長性の高いネットワーク、住民による管理を助けるためのシビックテックの提案を行う。

参考文献
1)あまみず社会研究会、http://amamizushakai.wixsite.com/amamizu
2)西山浩司、広城吉成、脇水健次、鈴木素之、古文書資料を用いた福岡県朝倉地方における過去の豪雨災害記録の抽出、自然災害研究協議会西部地区部会報研究論文集、第42号、pp.55-58、2018  Extraction of Past Heavy Rainfall Disaster Records in Asakura Area of Fukuoka Prefecture using Local Historical Documents, Western Regional Division Report of National Disaster Research Council, No.42, pp.55-58, 2018
3)Hirano, M. Hikida, M. and Moriyama, T. (1984). Field observation and prediction of the hydrograph of volcanic debris flow, Proceedings of the Fourth Congress of Asian and Pacific Regional Division of IAHR, Vol. 1, pp. 287-298
4)Toshuyuki Moriyama,Hirano Muneo, Relationship of Three Hours of Cumulative Rainfall and Collasped Area if Landslide, Proc. of IAHR-APD 2018, 2018,投稿中
5)Toshiyuki MORIYAMA, Katsuhiro Morishita, Shinobu Izumi, Koji Nishiyama,Development of Distributed Multi-purpose Civil Dam with LoRaWAN, HIC-2018,2018, 投稿中
6)T.Moriyama,M.Masaki, H.Nakayama, K. Matsuo, Real-Time Forecasting for Stages of Flash Flood, M.Hirano, 5th Congress of IAHR-APD, 1986, Vol.IV, pp269-282
7)M.Hirano, T.Moriyama, S.Yamashita, H.Tetsuya, Real-Time Forecasting for Stages of Flash Flood(Part2), 6th Congress of IAHR-APD, 1988, Vol.II-22,
8)Moriyama, T., Hirano, M., Nakayama, H., (2009), Terminals and Program which Derives River Flood Information, Japanese Patent No.4323565