日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-07] FutureEarth-GRPsによる地球環境変化研究の統合

2018年5月20日(日) 15:30 〜 17:00 103 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:石井 励一郎(総合地球環境学研究所)、安成 哲三(総合地球環境学研究所)、谷口 真人(総合地球環境学研究所、共同)、Hein Mallee(Research Institute for Humanity and Nature)、座長:石井 励一郎

16:00 〜 16:15

[U07-08] WCRP ”Climate and Cryosphere” (CliC)の活動と動向

★招待講演

*榎本 浩之1 (1.国立極地研究所)

キーワード:雪氷圏、気候、CliC

本発表では、WCRP コアプロジェクト:Climate and Cryosphere (CliC)「気候と雪氷圏」の研究対象と体制、最近の活動状況とFEへとのかかわり、新たな体制にむかってどう動いていこうとしているか、紹介する。

WCRP コアプロジェクト:Climate and Cryosphere (CliC)「気候と雪氷圏」では、「地球気候における雪氷圏(雪氷)の役割」に関する議論を活発にし、「気候変動予測」に貢献することを目的として活動している。対象とする雪氷圏とは、海氷、湖氷及び河川氷、雪、氷河、氷帽、氷床、氷山、凍土である。CliCは以下の4つの主要な科学テーマを掲げて活動している。:

1.地球規模の気候システム及びその変動に対する雪氷圏の役割を明らかにする
2.地球規模及び地域の気候指標としての雪氷観測の推進
3.雪氷圏に関わる物理化学プロセスの理解と地球システムモデルでの表現向上
4.気候変動における雪氷圏の予測改良

他のコアプロジェクトと協働しながら、WCRPの7つのGrand Challengeにかかわっているが、特にMelting Ice and Global Consequencesの主導を行っている。
現在、CliCはAction Plan 2017-2021を策定して活動している。その中でも、雪氷圏が持つ役割として、“Role in many socioeconomic issues such as water supply, transportation, food production, built infrastructure, tourism and recreation.”としている。現在実施中のものとして、Polar Climate Predictability Initiative (PCPI)のもと、高緯度域や北極での季節からさらに長期の予測に対し、研究推進に力を入れている。PCPIは、FEが推進するステイクホルダーとの協働にむけた方向性をも持っており、WMOのWorld Weather Research Programme (WWRP), Polar Prediction Project (PPP)を通じて実現を目指している。特に、極域に関してYOPP (2017-2019)が開始し、北極通年観測としてMOSiC (2019-2020)が予定されている。これら自然科学研究から社会へのつながりを強化しようとしている。