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[AAS03-02] 高解像度放射対流平衡実験における積雲アンサンブルの統計的性質
キーワード:積雲対流、放射対流平衡、WRF
本研究では放射対流平衡の場における積雲アンサンブルの統計的性質について調べた。数値実験には非静力学モデルWeather Research and Forecasting (WRF) model ver. 3.8.1を用いた。大気とインタラクティブに短波・長波放射フラックスを計算するRRTMGスキームを用い、水平格子間隔を1600 mから200 mの範囲で変化させて解像度依存性を調べた。水平格子間隔200 mの実験では、積雲対流の日変化や鉛直3モード構造といった特徴が明瞭に表現される一方で、解像度が低くなる(格子間隔が大きくなる)ほど、強い上昇流や降水を伴う間欠的な深い対流が支配的となった。対流圏中・上層の大気は、解像度が低くなるにつれて安定化・乾燥化する傾向にある。さらに、3 次元的な雲検出手法を用いることで、雲の構造について調べた。解像度によって微細規模現象の水平スケールが制約され、雲内特性の鉛直構造や積雲アンサンブルの鉛直発達にも影響が及ぶことが示唆された。さらに、対流間距離や対流雲サイズ分布といった積雲アンサンブルの統計的性質が水蒸気場の水平不均一性とも関係することが示唆される。