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[AAS04-19] 2013-2018年に千葉で観測されたNO2、VOC、対流圏オゾン濃度のトレンド
キーワード:二酸化窒素、揮発性有機化合物、対流圏オゾン
対流圏オゾン(O3)は光化学オキシダントの主成分であるだけでなく、第三の温室効果ガスでもあり、近年では短寿命気候汚染物質(SLCPs; Short-Lived Climate Pollutants)としてもその重要性が広く認識されている。人体に悪影響を及ぼす大気中の二酸化窒素(NO2)や揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound; VOC)はO3の前駆物質であるなど、大気中の光化学反応において中心的な役割を果たしている。しかしながら、これらO3やNO2、VOCの濃度トレンドの理解は我が国においても未だ不十分である。
我々は、2013年から2018年までの6年間、SKYNET千葉サイト(北緯35.63度、東経140.10度、海抜21m)において、多軸差分吸収分光装置(Multi-Axis Differential Optical Absorption Spectroscopy; MAX-DOAS)を用いて高度0-1 kmのNO2、ホルムアルデヒド(HCHO; VOCの代替として)、O3の連続観測を実施した。データを解析したところ、NO2とHCHO濃度は約30%減少したが、O3の系統的な減少は認められなかった。同様の傾向は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の大気観測衛星Auraに搭載されているOMI(Ozone Monitoring Instrument)センサーによって観測された対流圏NO2カラムデータや、環境省大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)によって観測されたNO2、非メタン炭化水素(NMHC; VOCの代替として)、光化学オキシダント(OX; O3の代替として)の濃度データからも確認された。これらの結果はこれまでの報告と矛盾しない。SKYNET千葉サイトの北は交通が活発であり、東は住宅街、西は海、南は工場がある。SKYNET千葉サイトでは、4台のMAX-DOASをそれぞれ異なる方位(東西南北)に向けた観測を行っている。本講演では、このような4方向のMAX-DOASデータなどを含めた解析結果を総合的に評価し、トレンドとその要因を議論する。
我々は、2013年から2018年までの6年間、SKYNET千葉サイト(北緯35.63度、東経140.10度、海抜21m)において、多軸差分吸収分光装置(Multi-Axis Differential Optical Absorption Spectroscopy; MAX-DOAS)を用いて高度0-1 kmのNO2、ホルムアルデヒド(HCHO; VOCの代替として)、O3の連続観測を実施した。データを解析したところ、NO2とHCHO濃度は約30%減少したが、O3の系統的な減少は認められなかった。同様の傾向は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の大気観測衛星Auraに搭載されているOMI(Ozone Monitoring Instrument)センサーによって観測された対流圏NO2カラムデータや、環境省大気汚染物質広域監視システム(そらまめくん)によって観測されたNO2、非メタン炭化水素(NMHC; VOCの代替として)、光化学オキシダント(OX; O3の代替として)の濃度データからも確認された。これらの結果はこれまでの報告と矛盾しない。SKYNET千葉サイトの北は交通が活発であり、東は住宅街、西は海、南は工場がある。SKYNET千葉サイトでは、4台のMAX-DOASをそれぞれ異なる方位(東西南北)に向けた観測を行っている。本講演では、このような4方向のMAX-DOASデータなどを含めた解析結果を総合的に評価し、トレンドとその要因を議論する。