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[AAS05-13] 成層圏から対流圏へのプラネタリー波束の下方伝播について
キーワード:プラネタリー波束、下方伝播、波の活動度フラックス
北半球冬季において、プラネタリー波束が成層圏から対流圏へ下方伝播する事例がしばしば観測され、対流圏循環に影響を及ぼすことがあることが報告されている。最近の観測に基づくと、対流圏への下方伝播は、90W付近の北米上空において頻繁に発生しているとのことである。そこで、本研究では、プラネタリー波束の下方伝播の発生分布、及び発生時の背景場との関係を、JRA55再解析データを用いて解析した。本研究では、Plumb(1985)のWave Activity flux(波の活動度フラックス)を計算し、そのz成分の30hPa面における値に閾値を設け、全解析期間(1958年-2016年)にわたる強い下方伝播事例を抽出した。各事例について、どの経度帯で下方伝播が生じているのかを調べ、45度ずつに区切った8つの経度領域に分類し、経度領域ごとにコンポジット解析を行った。その結果、約500事例を抽出することができ、その80%以上の事例が135Wから0Eの領域で発生していた。さらに、これらの下方伝播は、成層圏におけるアリューシャン高気圧の発達と密接な関連があることが示された。残りの事例においても、下方伝播が生じる領域の西方に、発達した高気圧の出現が見られた。