日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG36] 地球環境科学と人工知能

2019年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 106 (1F)

コンビーナ:冨田 智彦(熊本大学大学院 先端科学研究部)、福井 健一(大阪大学)、松岡 大祐(海洋研究開発機構)、小野 智司(鹿児島大学)、座長:冨田 智彦(熊本大学 大学院先端科学研究部 基礎科学部門)

11:50 〜 12:05

[ACG36-04] 深層学習に基づく説明変数を考慮した海氷密接度の短期予測手法

*川嶋 一誠1神山 徹1杉本 隆1中村 良介1 (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:海氷密接度、深層学習、LSTM

近年、北極海航路が着目されており、その航行のためには、短期~中期の海氷予測が重要となっている。短期予測に対しては、精度のみならず頻度や計算負荷も重要となる。著者らは対象領域として海氷の増加・減少・移流等のダイナミクスが顕著なオホーツク海を選び、深層学習を使用した海氷予測手法を検討してきた。本手法は、水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)に搭載された高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)のプロダクトである海氷密接度の履歴情報のみから、深層学習の手法を使用して0.5日間隔で2.5日先までの海氷密接度を予測する手法であり、高頻度であるにも関わらず計算コストが低いといった特徴を有し、比較的良い精度を得ることができる。しかしながら従来の数値シミュレーションによる予測精度との比較、また実利用時に要求されうる精度を見据えると、高精度な予測実現に関して改善の余地があった。そこで、本稿では、海氷密接度以外の説明変数も考慮して海氷密接度の短期予測を行う手法を提案し、その結果を示す。