日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG37] 北極域の科学

2019年5月30日(木) 15:30 〜 17:00 303 (3F)

コンビーナ:漢那 直也(北海道大学北極域研究センター)、庭野 匡思(気象研究所)、中村 哲(北海道大学大学院地球環境科学研究院)、鄭 峻介(北海道大学 北極域研究センター)、座長:漢那 直也(北海道大学 北極域研究センター)

15:30 〜 15:45

[ACG37-13] 国際北極科学委員会プロジェクト「T-MOSAiC」紹介

内田 雅己1、*末吉 哲雄1 (1.情報・システム研究機構 国立極地研究所)

キーワード:北極、陸域、観測、国際共同研究

Terrestrial Multidisciplinary distributed Observatories for the Study of Arctic Connections (T-MOSAiC)は、国際北極圏科学委員会(IASC)のワーキンググループにより計画された国際プロジェクトです。本プロジェクトでは、周北極の陸域環境と北極海、海氷と大気における研究を結びつける学際的な研究を促進し、システムレベルの理解発展を目指しています。また、北極および北方のジオシステム、エコシステムそして人間システムに関する新たな知見を発見するために、北極圏全体で行われている様々な個別研究を連携させることを目指します。取り組むべき重要な課題には、関連性、勾配、極端な出来事および創発的性が含まれます。データセットは、オープンアクセスリポジトリを介して相互運用可能にすることを目指します。T-MOSAiCは、IASC海洋大気プロジェクトThe Multidisciplinary drifting Observatory for the Study of Arctic Climate(MOSAiC)が実施を計画している2019年から2020年にかけて同時並行して実行され、陸上の気候観測データセットなどをMOSAiCに提供し、MOSAiCからも観測データ等をT-MOSAiC側に提供することを想定しています。
 T-MOSAiCに参加する利点としては、急速な環境変動が生じている北極において、北極圏と世界に影響を及ぼす重要な物理的、生態学的、社会学的な問題を明らかにし、それらを解決に導くために分野の垣根を越えた国際プロジェクトに参加できることです。得られた成果は国際的な政策・産業等の決定機関に提供します。他の利点としては、観測地や観測データなどのギャップを埋めることに貢献できます。さらに、MOSAiC(https://www.mosaic-expedition.org/)、INTERACT(https://eu-interact.org/)、Sentinel North(https://sentinelnorth.ulaval.ca/en)、Nunataryuk(https://nunataryuk.org/)などのパートナーとの連携が可能になり、分野を超えた新しい共同研究を始めることが可能になります。上記以外にも様々な情報がT-MOSAiCのウェブページ(https://www.t-mosaic.com/)で提供されています。是非ご覧ください。