日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG41] 地球惑星科学における航空機観測利用の推進

2019年5月28日(火) 15:30 〜 17:00 201B (2F)

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、小池 真(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻)、町田 敏暢(国立環境研究所)、篠田 太郎(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、座長:高橋 暢宏(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

16:30 〜 16:45

[ACG41-05] ロガロ翼UAVを用いた東南極辺縁におけるエアロゾル観測

*原口 諒平1林 政彦1原 圭一郎1平沢 尚彦2中田 浩毅3尾塚 馨一4,1 (1.福岡大学、2.極地研究所、3.kktイノベート、4.日本タングステン)

キーワード:エアロゾル、無人航空機、南極、新粒子生成

第48次,54次,56次日本南極地域観測隊によって,昭和基地地近くの南極大陸上S17航空拠点(69o02’S, 40o06’E,606m a.s.l.)において無人航空機を用いた気象観測が実施されてきた。58次南極地域観測隊は,雪,水蒸気,エアロゾルの収支を含んだ気象観測を2016年12月22日から2017年2月4日まで行った。観測の主要な項目の一つは,自動制御ロガロ翼機(カイトプレーン)を用いたエアロゾル修士課程に注目したものである。2つのタイプのカイトプレーン観測が計画された。一つは,エンジン式のカイトプレーンを用いた水平方向の分布に特に注目した観測である。凝結核計数装置,光学的粒子計数装置,エアロゾルサンプラーを搭載した。サンプルは,国内で,SEM/EDXによる個別粒子の元素組成分析に用いられた。もう一つは,光学粒子計数装置を搭載した滑空カイトプレーンである。エアロゾルの鉛直分布の観測に用いられた。第58次観測隊の観測期間中に22回の飛行が行われ,以下の結果が得られた。

1.凝結核濃度,大粒子濃度の高い一様性が2017年1月に見られた。
2.地表(雪面)付近で低い凝結核濃度が時々観測された。
3.1月23日に高い凝結核濃度で,低い大粒子濃度の状態で観測され,この層では新粒子生成が起きていた可能性が示された。
4.1月27日には,凝結核濃度,大粒子濃度ともに高い状態が観測され,海洋境界層内での水蒸気の凝縮成長が起きていた可能性が示された。