日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS13] 沿岸域の海洋循環と物質循環

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:田中 潔(東京大学)、森本 昭彦(愛媛大学)、速水 祐一(佐賀大学)、一見 和彦(香川大学瀬戸内圏研究センター)

[AOS13-P03] 駿河湾におけるエスチュアリ循環の観測

*田中 潔1仁木 将人2轡田 邦夫2石田 明生3高橋 大介2勝間田 高明2植原 量行2 (1.東京大学、2.東海大学、3.常葉大学)

キーワード:駿河湾、桜エビ、エスチュアリ循環、海洋観測

桜エビは駿河湾の重要漁獲物である。桜エビの商業漁獲は日本では駿河湾でのみ、世界でも日本以外では台湾でだけで行われている。なぜ世界でもこれら二地域だけにしか桜エビが豊富に生息していないのかはよく分かっていない部分も多いが、二つの要因が重要であろうと考えられている。一つは深海にまで続く急峻な大陸斜面の存在、もう一つは豊富な河川水が注がれていることである。そこで、筆者らは駿河湾の奥部で、ADCPやCTDを用いての高解像度の船舶観測を実施した。駿河湾の奥部には富士川の河口が位置し、それは急峻な大陸斜面に直結している。また、河口域には高気圧性(時計回り)の渦が形成され易いことも知られている。そして、今回の観測結果では、その河口域にエスチュアリ循環的な傾圧構造が見られた。深度20 m程に位置する層内に(河川系水の流れとは反対向きに)河口に向かう流れが存在しており、それは河口近傍で河川系水に連行加入されている可能性が示唆された。