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[AOS17-06] 2017年黒潮大蛇行の長期予測
キーワード:黒潮大蛇行、黒潮流量、長期予測
日本南岸の黒潮は2017年8月末に12年ぶりに大蛇行流路へと遷移し、その後1年以上大蛇行が持続している。大蛇行に伴う、日本南岸の海洋環境の変化は、漁業、海運、及び天候等に大きな影響を及ぼすことが指摘されており、大蛇行の今後の見通しに大きな関心が寄せられている。本発表では、渦解像モデルによる長期予測実験の結果をもとに、2017年の大蛇行の今後の見通しについて議論する。実験設定としては、大蛇行発生から約1年後の2018年8月末まで、データ同化により、現実の大蛇行をモデル内に再現し、2018年8月28日以降、大気フォーシングを1975年から2014年の各年のものに置き換えて、全40ケースのアンサンブル計算を行った。各ケースとも3年後の年末まで計算を実施した。なお、大気フォーシングデータとしては、JRA55をベースに海洋モデル駆動用に調整を施したデータセットJRA55-doを用いた。予測開始後1年半(2020年2月に相当)程度までは、ほぼ全てのケースで大蛇行が安定して持続した。その後は、メンバー間でのばらつきが大きくなり、大蛇行が持続するケースと大蛇行が解消するケースに分かれた。先行研究により、大蛇行の持続期間は、日本南岸の黒潮流量に強く依存することが指揮されており、上記結果は、各アンサンブルメンバーに与えた風の違いによって概ね説明がつきそうである。発表時には、2019年5月の実況について予測結果の妥当性を議論すると共に、実験結果についてより詳細に紹介する。