日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS19] 海洋と大気の波動・渦・循環力学

2019年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 8ホール)

コンビーナ:田中 祐希(東京大学大学院理学系研究科)、古恵 亮(APL/JAMSTEC)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)

[AOS19-P08] 潮汐混合によるインドネシア通過流への影響

*城山 航基1木田 新一郎2佐々木 英治3古恵 亮3 (1.九州大学大学院 総合理工学府 大気海洋環境システム学専攻、2.九州大学 応用力学研究所、3.海洋研究開発機構)

キーワード:潮汐混合、インドネシア通過流

インドネシア多島海は太平洋とインド洋の二つの大洋を繋ぐインドネシア通過流が流れている海域である。直上の大気は赤道の大気大循環の中心域でもありインドネシア多島海の海面水温は雲の発達過程に重要な役割を果たしている。この海域は、海底地形が複雑なため、潮汐による鉛直混合が活発に起きていると考えられている。インドネシア通過流がこの海域を通る過程で潮汐混合がその水塊性質にどのような影響を与えるのかを調べるため、潮汐混合パラメタリゼーションの感度実験を行った準全球海洋大循環モデル OFES2を解析した。パラメタリゼーションの有無による数値モデルの解析結果の違いによってインドネシア通過流に沿って起きる海水の温度、塩分、流速の変化を調べた。その結果、潮汐混合がインドネシア通過流に確かに影響を与えていることを確認できた。特に、海峡や浅くなっている地点(海嶺火山など)の前後での水塊性質の変化が顕著で、水塊性質の鉛直分布が均一になっていることを確認できた。これは海峡などの狭い場所を通過する時に、潮汐混合の影響を強く受けるためであると考えられるが、原因解明のためにより詳しく解析を行っていく。